ジカ熱拡大を懸念し、世界各国の医師や科学者が27日、世界保健機関(WHO)にリオ五輪の開催地変更か延期を求めたが、WHOは翌日、延期は問題を解決しないと回答したと28日付伯字各紙サイトが報じた。
ハーバード大学など権威ある研究機関の医師ら150人以上が署名した書簡では、ブラジルの蚊撲滅運動不成功と脆弱な保健医療体制故に、リオ訪問者50万人がジカ熱感染後に帰国すれば同病が蔓延するとし、延期か開催地変更を求めた。ブラジリア大学のデボラ・デニズィ教授は「WHOは長袖を着て空調の整ったホテルにいろと勧めるが、それでは五輪の意味は失われる」と批判した。
これに対し、WHOは「ジカ熱は60カ国で確認されている。感染を減らす最良策は各自がジカ対策を行う事」と反論。サンパウロ総合大学のエスペル・カラス教授も「ジカ熱で五輪延期、開催地変更と言うなら、トキソプラズマ発生中のフランスも渡航禁止とすべき」と主張している。