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聖南西=300万レ基金、正式に開始=年末から運用開始を決定=加盟25団体が参画へ

会議の様子

会議の様子

 聖南西文化体育連盟(UCES、山村敏明会長)は、サンミゲル・アルカンジョ市にある日伯SUS病院(サンパウロ日伯援護協会運営)で17日、第3回定例役員会を開催した。同連盟傘下25団体の財政健全化を目的にした『300万レアル基金プロジェクト』を、12月末から運用開始することが正式に決定された。

 本プロジェクトは、運営赤字を抱える同連盟の財政健全化のため、資産家・天野鉄人氏により提案された。規模に応じた各加盟団体からの拠出金集めが12年から開始され、天野氏からの寄付金と合わせて、現在は約112万レアルに上る。
 今年3月の定期役員会では、300万レアルにする満期期限を、10年後から5年後に大幅短縮することが決定された。それに伴って拠出金額を倍増させ、200万レアル以上の資金を年末までに集めることで特別な高金利口座を使用し、5年後に300万レアル基金達成を目指す。
 今回の役員会では12月3日を期限として、各団体が資金を最終拠出することが決定された。その時点で、企業と天野氏からの寄付金20万レアルを併せても200万レアルに到達しない場合、天野氏が不足金額を出すことで、12月末から運用を開始する。
 5年後の2021年には300万レアルに達する見込み。それ以降は、金利収入の3割を使用する。3割の10%は連盟の運営費に充当し、残り90%は出資比率に応じて各団体に分配する仕組みだ。25年には500万レアルに達する見通し。山村会長も「次世代へ繋いでいくためにも非常に有益なシステム」と期待を寄せる。
 これまで出資していなかった加盟団体も参画する予定で、最終的には全ての加盟団体が揃うことになりそうだ。天野氏は「会員減少で運営赤字が続く状態では、いくら固定資産があっても、流動資産がなくては立ち行かない。財政健全化をしなければ組織は残らない」として基金設立の意義を語る。
 来年1月の定期総会では定款の中に基金設置を明確に記し、運用方法に関して内規を定める方針だ。

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