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うりずん会=ウチナー精神を若手に継承=聖州議会で国際フォーラム=『先祖の遺産、将来への懸け橋』

伝統継承を誓ったコレジオ・ブラジリアの学生

伝統継承を誓ったコレジオ・ブラジリアの学生

 創立90周年記念事業の一環として、沖縄県人会(島袋栄喜会長)と沖縄県留学生研修会OB会「うりずん」(松本カリナ沙登美会長)が共催で『第2回国際フォーラム』を19日、聖州議会フランコ・モントーロ講堂で開催した。遠くはアルゼンチンやチリから、200人を越えるウチナーンチュが結集し、国や世代を超え、100周年に向けて結束を新たにした。基本的にポ語で講演が行なわれ、スペイン語圏からの参加者は自国語で意見を述べた。

 『先祖の遺産、将来への懸け橋』をテーマに若者主導により開催されたフォーラム。島袋会長は先月沖縄で開催された世界のウチナーンチュ大会に触れ、「28カ国の異なる言語でも相通ずるものがあった。先祖の遺産を大事にしていることが、大会の絆になっていた。このフォーラムも我々が何者なのかを知り、将来に繋がる良い機会になる」と喜んだ。
 第一部のテーマは『歴史と記憶』。うりずん創設者の与那覇真司さんは特徴的慣習として法要を例にとり、「各々の節目には意義があり、物心両面において家族の絆を強めるもの」として、伝統的な『家』の重要性を指摘。「核家族化が進み、無縁の時代が訪れるなか、法要は心の拠り所となるはず」と語った。
 社会学博士のアナ・ルイーザ・カンパーニャ・ナカモトさんは、祖父母の足跡を例に、「移民研究のなかで、祖父母の口からは聞いたことのない史実が隠されていた。沈黙のなかにこそ歴史が埋まっている」と指摘し、「子孫である我々にはその歴史を知る責任がある」と訴えた。
 第二部のテーマは『伝統と変容』。三線奏者であるヴィニシウス・サダオ・タマナハさんは、「時代や言語が違う中で、根本的に本質を理解することは難しい」と語りながらも、「伝統芸能はウチナーンチュであることを表現する心の拠り所。自分たちに意味あるものに作り変えてゆくことも重要」と語った。
 コレジオ・ブラジリアの学生4人は、アイデンティティー確立に繋がるとして「母県との交流」の重要性を指摘。「言葉には上手くできないが、ウチナーンチュの精神は、私たちのなかに息づいている。それが風化してゆくなんて想像できない」と語った。
 講演を終えると、伝統をいかに継承してゆくかについて、喧々諤々と議論が交わされた。

圧巻の公演に拍手が沸いた会場

圧巻の公演に拍手が沸いた会場

 参加者からは「小さいときから周りに文化が存在することが重要。刻まれた記憶はいつか開花し、アイデンティティーを探るきっかけになる」との意見も。幅広い議論の場となった。
 昼食後の芸能公演では、節目を祝した琉球舞踊「かぎやで風」に始まり、琉球国祭り太鼓など脈々と継承される沖縄芸能を若手が力強く発信。最後は会場が一体となってカチャーシーを踊り、伝統継承への誓いを新たにした。


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 沖縄県人会行事の補助や研修留学生への説明会、広報等を主な活動内容とする「うりずん」。90周年式典の際に「伝統や文化に関する討論やワークショップなど、私たちのためになる活動をもっとやりたい」と語った松本会長の思いが形となったフォーラムだった。会場には、真っ白な木を模したオブジェに、ハイビスカスを模った赤い台紙に先祖や次世代へのメッセージを書いて飾る演出まで。島袋会長も「企画から運営、全てが若者の手によって実現された」と喜んだ。
     ◎
 フォーラムの中では、沖縄の歴史を振り返り、ウチナーンチュのアイデンティティーを紐解く内容も。若手言語研究者が流暢な〝琉球語〟(うちなーぐち)の挨拶で会場を沸かせ、6つに区分されるというその方言の違いに関して紹介を行うなど興味深い内容が盛りだくさん。活躍する若手の姿が目立った。参加者からは「家族で一緒に参加したが、ルーツについてより深く知り、考える機会になった」と喜びの声が聞こえた。来年には「御三家」のうち、2団体の長を沖縄出身者が占める。今後の県系人の活躍に期待十分!?

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