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どこにいる? 我らのばっちゃん

 1月7日放送のNHKスペシャル「ばっちゃん―子どもたちが立ち直る場所」を見て、居場所をなくした子供達と、彼らを無条件で受け入れる中本さんの姿が脳裏に焼きついた。家庭や学校などで居場所をなくした子供達が82歳の中本さんの家で食事をし、心満たされて帰っていくのだ▼中本さんは「おなかがすいたら悪い事を考える」と言いながら、拠り所を必要とする子供達に食事を提供し、愚痴や悩みを聞いてあげる。「おなかがすいたら女の子は売春、男の子なら万引きなどに走る」と語る彼女は、おなか以上に心が満たされていない子供達の実態を何十年も見てきた▼中本さんの料理を食べ、悩みなどを吐き出して、心も体も満たされて巣立っていった子供達は300人を超える。「居場所のなさが子供達の復帰を妨げる」と語り、「来る者は拒まず」という彼女の考えに共感し、様々な支援をする人も現れ、親に対する取り組みも始まっている▼番組では、少年院から仮出所した少年がいの一番に中本さんに電話し、中本さんを訪問する様子も流していた。少年が本当に心を許し、何でも相談できるのは、親や友人でもなく、中本さんだった事は、心の繋がりが本物だった証拠だ。子供の支援を何十年も続けて来た秘訣を訊かれた中本さんは、「子供から面と向かって『助けて』と言われたことのない人にはわからないだろう」と答えた▼極めて犯罪率が低いスラムに、生徒達を我が子の如く愛し、慈しんだ女性教師がいたとの米国の逸話を、中本さんの姿から思い出す。子供の犯罪率も高く、刑務所は超満員の伯国。この国も「ばっちゃん」がいれば変わるかも、と思わされる日々だ。(み)

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