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「またお会いしましょう」=橋幸夫3回目のブラジル公演=3千人が懐かしの曲にひたる

「荒城の月」を歌い上げる橋さん

「荒城の月」を歌い上げる橋さん

 WILL株式会社(仲居良昇社長)が主催する『橋幸夫チャリティーコンサートINサンパウロ』が5日、文協大講堂で開催された。正午と午後3時の2回公演に計3千人が来場し、会場は満員となった。公演では「潮来笠」をはじめとした懐かしの名曲を一緒に口ずさみ、楽しんだ。

 白スーツで登場した橋さんは、過去2回のブラジル公演を振り返り、今公演開催へ感謝を述べた。当時の思い出を振り返りながら10曲をメドレー形式で歌うと、観客の中には懐かしの曲に手拍子を打ち、口ずさむ姿も見られた。第8回レコード大賞を受賞した「霧氷」を熱唱すると、会場はじっくりと聞き入った。
 次に緑地に黄色の模様が入った着物に着替え、祭りの華やかな雰囲気を持つ「花火音頭」、現在も一番人気を誇る「潮来笠」等では、会場に降りて観客と握手をして回った。また、主演ドラマの主題歌「子連れ狼」、新曲の股旅ソング「ちゃっきり茶太郎」で会場を盛り上げた。
 さらに白と紫の紋付袴に着替え、「日本のこころ」や「荒城の月」を歌って、観客の郷愁をくすぐった。
 会場から熱烈な拍手を受けた橋さんは、「日本人移民の方々が努力したおかげで、世界で一番日本人や日系人が頑張っている国」と語りかけ、「この曲はそんな皆さんと歌いたい」と「ふるさと」を観客と合唱した。
 その後、橋さんとWILL株式会社の大倉満会長から援協、憩の園、希望の家、こどものそのに寄付金目録が贈呈され、最後に「いつでも夢を」を会場全体で合唱した。
 最後に橋さんは「ブラジルの方の情熱は素晴らしい。またどこかでお会いしましょう」と語り、万雷の拍手の中、公演を終えた。
 リベルダーデ大通りの「カラオケBOXカンパイ」のオーナー、イリタニ・チエミさん(58、二世)は「『いつでも夢を』が本当に良かった!小さい頃から家族が流していた音楽を生で聴けて感激」と興奮さめやらぬ様子で語った。
 リベロン・ピーレスから来場した岡林泰子さん(84、高知県)は、「移住した次の年、スザノの奥、電気もない日本人の店でラジオから『潮来笠』が流れてきた。17歳の子が歌っていると教えられたときは本当に驚いた」と思い出し、「ブラジルに来たときのことを思い出すわ」と微笑んだ。


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 橋幸夫コンサートの前座を務めたシューベルトまつださんは、まず「オラ!」とポ語で挨拶しながら登場した。「涙そうそう」のほか自分の曲「サーターアンダギーのうた」、沖縄の地上戦についての「100万粒の涙」を歌い上げて会場の涙を誘った。健康体操が花束を贈呈すると、ポ語で感謝を述べた。カチャーシーの踊り方を観客に指導し、「ハイサイおじさん」で会場を盛り上げ、拍手の中「オブリガード!」と退場。続く橋幸夫公演にむけて、観客の心を解きほぐす役割をしっかり果たした。

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