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東西南北

 11日、本頁でも報じているように、ラヴァ・ジャット作戦で空前絶後とも言うべき数の政治家の捜査許可が報道されたことで、ブラジルのメディアはそれ一色となり、様々な政治家とオデブレヒト社との間で繰り広げられた数々の疑惑のニュースに国民が衝撃を受けた。最高裁だけで98人、高等裁や地裁にも200件余りの捜査開始要請が送付されたというのは、これまでの世界政治史でも記録的な事件では? ギネスブックへの申請も意識できる規模だと思われる。ただ、これだけ件数が多いと、捜査から起訴、裁判という課程にも必然的に時間がかかり、18年大統領選までの決着は難しいはず。ルーラ氏やアエシオ氏はどうなる?
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 来年の大統領選の極右候補と目され、このリストには名前が載らなかったジャイール・ボウソナロ氏は11日、同氏からかつて「レイプの価値のない女」と2度公衆の面前で罵倒されたとして、裁判を起こしたマリア・ド・ロザリオ下院議員(労働者党)の名前が同リストに収賄疑惑で載ったのを見て、「誰だ、こいつは? 刑務所が待っている」と言って皮肉った。ボウソナロ氏自身は、レイプ発言以外にも、ユダヤ人や黒人に対する人種差別発言で既に被告となっているのだが。
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 このように政界の大物が続々と捜査対象になると、「この国は一体どうなってしまうのだ」と嘆く声は当然生まれる。だが、ベネズエラで現在起きている、議会の機能停止、野党リーダーの政治活動禁止令などの独裁状態を見ていると、政界浄化が国民の後押しで実現していることは、むしろ誇るべきことだ。良い方向に事が進むことを願いたい。

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