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東西南北

 28日のゼネストで、通勤・通学の手段を奪われた人は多いが、テメル大統領やサンパウロ州のアウキミン知事、サンパウロ市のドリア市長などは一様に、欠勤者には減点、減給との方針を示している。労働者の中には、人が群がるバス停で自分も含めた写真を撮り、「証拠があるから帰る」と帰宅した人もいる。バスは走っていない上、自宅勤務を認めた会社や欠勤を決め込んだ人が多かったのか、サンパウロ市東部からの幹線道路、ラジアル・レステは思いのほか空いていたが、労組に同調する人と反対する人のどちらが増えるかと首も傾げたくなる。

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 ゼネストのインパクトに隠れた感もあるが、ブラジリアなどで28日、連警がラヴァ・ジャット作戦絡みのサテライト作戦第2弾を敢行し、レナン・カリェイロス元上院議長(民主運動党・PMDB)と関係のある弁護士の事務所などを捜索した。同作戦は政治家でなく、その周辺関係者を標的とするため、サテライト(衛星)と命名された。レナン元議長やロメロ・ジュカー上議ら、最高裁によってしか捜査されない特権を持つ大物政治家の弁護士や秘書に対する捜査でも、最高裁判事がゴーサインを出さなくてはならない。悪者として、格が上がった気分だろうか?

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 先月末より話題の人気俳優ジョゼ・マイエルのセクハラ事件で、被害を訴えていた衣装スタッフのススレン・トナーニさんが、マイエルへの告訴を断念した事が分かった。26日、リオ州公選弁護人事務所を訪れていたススレンさんは、これ以上の捜査の進行を望まないと表明した。担当警部は「彼女には捜査を止める権利がある。法的には被害者が存在しないこととなり、よって犯罪も存在しない」と語った。

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