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優勝の栄冠は中島さんに!=第2回本荘追分ブラジル大会=「日本でも良い結果出したい」

優勝旗を手に歌う中島幸夫さん

優勝旗を手に歌う中島幸夫さん

 若手民謡グループ「民」(久保田紀世会長)とブラジル本荘追分会(川合昭会長)共催の『第2回本荘追分ブラジル大会』が21日、サンパウロ市の秋田県人会館で行われた。10~86歳までの幅広い世代から35人が出場し、民謡ファン約100人が見守る中、日頃の練習の成果を披露した。審査の結果、サンミゲル民謡会の中島幸夫さん(38、三世)が優勝の栄冠に輝き、8月に秋田県由利本荘市で行われる第34回本荘追分全国大会にブラジル代表として出場することが決まった。

 本荘追分民謡の国際大会は、世界でブラジルだけ。大会開催にあたり、長谷部誠由利本荘市長、鈴木和夫同市議会議長、佐林公善本荘追分保存会会長から祝辞が届き、開会挨拶に立った川合会長は「盛大に開催することができ嬉しい限り」と関係者らへ感謝を述べた。
 審査は幼年の部、寿の部、高年の部A・B、青壮年の部A・Bに分かれて行われ、一度の歌唱審査で各部門ごとの優勝者と日本行きを懸けた優勝決定戦への進出者を決めていく。優勝決定戦には10人が選ばれ、再度の審査が行われた。
 緊張した中で行われた優勝決定戦では「声量、高音の出具合、こぶし回しなど全体的にレベルが高く、何よりミスが無かった」とベテラン審査員らからのお墨付きをもらった中島さんが優勝者に選ばれた。
 中島さんはサンパウロ市生まれで、6歳の頃からカラオケ教室に通い、18歳の時にサンパウロ州選抜カラオケ大会で部門優勝した経験を持つ。子供の頃から民謡は好きだったが、習える場所がわからず、34歳になってからサンミゲル民謡会に通い始めた。カラオケで培った音感と舞台度胸は、民謡の世界でも通用し、2015年に「第48回日本民謡ブラジル大会」「江差追分ブラジル大会」で優勝している。
 表彰式後には優勝者デモンストレーションとして三度目の舞台に立ち、情感たっぷりに本荘追分を歌い上げ、会場からは大きな拍手が送られた。感想を聞かれた中島さんは、「本荘追分は調子の上下が沢山あって難しい。教えてくれた先生の名誉のために頑張らねばと思っていた」と優勝を喜ぶと同時に胸をなでおろした様子だった。
 昨年の本荘追分全国大会には、日本全国から喉自慢105人が集まり、ブラジル代表の久保田紀世さんは特別賞を受賞した。中島さんも「日本で良い結果が残せるように頑張りたい」と意気込みを語った。
 優勝決定戦と部門別結果は次の通り(敬称略)。【決勝戦1位】中島幸夫【同2位】安永幸柄【同3位】イングリッジ・エスピント【幼年の部】赤堀タレス【寿の部】八木静代【高年の部A】篠原俊巳【同B】海藤司【青壮年の部A】山崎也寸志【同B】中島幸夫。


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 本荘追分大会で運営の中心的な役割を初めて務め、ぶじにやり遂げた若手民謡グループ「民」。大会を終え、同グループの久保田紀世会長(32、三世)は「運営は大変。今まで民謡文化を繋げてきた先達の偉大さを痛感した」と話す。おもいえば先達に当る日本民謡協会のブラジル大会は来年で50回目を迎える。「48年後に到達する領域だと思うと本当に途轍もないこと」と、先輩らの偉業をいまさらながらに畏れ入っていた。その一方で「私達も長く続けられるように頑張らなければ」と励みにもなっているよう。48年後の記念大会目指して頑張って欲しいところ。

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