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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(15)

 わが富山中隊が駐屯する地区はこの駅から15km、徒歩で約3時間半を要すると云う。そして夢に描いた「曠漠千里…」の大平原とは程遠い山あり丘あり小川など山紫水明の地であった。かつてロシアが森林鉄道を敷設し無限の密林を伐採し、この鉄道で運びだしたと云われている。付近には大木の切り株が無数にくされかかったまま残っていた。
 はるばる海を渡り朝鮮半島を北上、目的地大満州厳寒の大地をしっかり踏みしめたわが富山中隊は、一面坡市から10数km離れた沙河鎮地区の訓練所に配属された。翌4月11日入所式、6ヶ中隊の仲間入りを果した。富山中隊の所属は宿舎と耕地・家畜など下記の通りだった。(隊員宿舎)ペチカによって舎内の気温は温暖化され、それ程寒くはない。ペチカとは宿舎の壁及び床下は入口で焚き火をしその熱風が通るように造られた宿舎施設。

1.建物
 ①中隊本部兼講堂、食堂、炊事場 1棟
 ②農機具、肥料倉庫 1棟
 ③隊員宿舎(40~50人)4棟
 ④野菜貯蔵庫 1棟
 ⑤馬房 2棟
2.家畜 馬、牛、豚、鶏等
3.耕地 約45町歩
作物 大豆、小豆、菜 豆、砂とうきび、馬鈴薯南瓜、西瓜、水田(50町歩)、小麦、燕麦等、自給自足の葉菜、根菜、瓜類

殖民の歌

1.万世一系 比ひなき
すめらみことを 仰ぎつつ
天涯万里 野に山に
荒地開きて 敷島の
大和魂を 植うるこそ
日本男児の 誉なれ
2.北の果て 樺太に
斧鍬入らざる 森深く
北斗輝く 蝦夷の地に
金波なびかぬ 野は広し
金鋼聳ゆる 鵜林に
未墾の沃野 我をまつ
3.峻嶺雲衝く 新高の
芭蕉の葉影 草茂る
広漠千里 満州の
地平の果てに夕陽は赤く
興安嶺の 森暗し
いざ立て健児 いざ行かむ
4.高鳴る胸の 血潮もて
紅そめし 日章旗
高き理想と 信仰の
御旗かざして 吾行かむ
東亜の天地 黎明の
農を告ぐる 鐘ぞ鳴る

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