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全伯太鼓大会=飛翔太鼓、日本行き栄光掴む=「皆で心が一つになれた」=若さと結束で重圧乗り越え

ジュニア部門で優勝を飾った飛翔太鼓のメンバー

ジュニア部門で優勝を飾った飛翔太鼓のメンバー

 ブラジル太鼓協会(渡部一誠会長)主催の「第14回全伯太鼓大会」が7月30日、聖市の文協大講堂で開催された。全伯から44団体350人が集い、年代別4カテゴリーと個人で競う大太鼓の全5部門に分かれ優勝を争った。「第20回日本太鼓ジュニアコンクール」(18年3月、石川県)の出場権を決めるジュニア部門では、聖州サンミゲル・アルカンジョ市コロニア・ピニャールの飛翔太鼓が栄光を勝ち取った。

 午前中のジュニア部門(18歳以下)には12チームが出場。飛翔太鼓は活気溢れる祭りの楽しさを表現した創作曲「豊年祭」を披露。11人による一糸乱れぬ圧巻の演奏に、観客席からは万雷の拍手が巻き起こった。
 演奏後、メンバーの金子健二さん(16、3世)は、「練習の全てをたった5分で出し切らなければいけない。ものすごい重圧だった」と心境を語り、「それでも力を出し切ることが出来てほっとした」と胸をなでおろした。
 午後からはミリン(12歳以下)、リブレ(19~44歳)、マスター(45歳以上)、大太鼓のコンテスト。
 リブレ部門に出場したパラナ州ロンドリーナ市の一心太鼓の村上隆雄さん(33、2世)は「太鼓はメンバーの心が一つになって気持ちがいい。仕事の関係で4年間太鼓から離れていたが、これからはずっと続けたい」と達成感に溢れた表情で話した。
 特別出演としてアルゼンチンのラプラタ太鼓、昨年リブレで優勝した若葉太鼓、ジュニアで優勝の源流太鼓が演奏を披露した。ラプラタ太鼓は女性の打ち手10人による迫力のある演技で会場を魅了した。
 審査の結果、各部門の入賞チームが発表され、ジュニア部門優勝の飛翔太鼓が日本行きの切符を掴んだ。メンバーの古庄ゆきえさん(14、3世)は「皆で叩いて心が一つになれてよかった」と涙で言葉を詰まらせながら話した。
 特別審査員の蓑輪敏泰さんは飛翔太鼓の演奏について「太鼓の種類が多く、打ち方も多彩だった。特に日本でも難しいとされる『三宅』という腰を低く落とした打ち方が出来ていた」と評し、「何よりも『日本に行きたい』という気持ちが強く表れていて、それが自信のある演奏につながっていた」と称えた。
 成績は順に以下のとおり(敬称略)。
【ジュニア】飛翔太鼓(サンミゲル・アルカンジョ)、清心太鼓(ドラセーナ)、轟太鼓(ジャレース)
【ミリン】オザスコ轟太鼓(オザスコ)
【マスター】若葉太鼓(パラナ州クリチバ)
【リブレ】一心太鼓(パラナ州ロンドリーナ)、光太鼓A(ブラジリア)、団体フェニックス(プレシデンテ・プルデンテ)
【大太鼓】エマーソン・エイジ・ナカハラ(飛翔太鼓)
【特別賞】マルシア・ゆり・玉元(光乱太鼓、スザノ)

 

□関連コラム□大耳小耳

 全伯太鼓大会の特別審査員の蓑輪さんは全チーム演奏終了後の総括で、「力任せに叩いては嫌われます。それと早く叩いたからといって上手いわけじゃない。太鼓は自分のナモラーダ。大切に打ってください」と話して会場の笑いを誘った。その後、蓑輪さんの10年間の活動をまとめた映像がサプライズで上映され、「なんだか最後みたい。でも、まだ3年は頑張りますよ」と照れながら応えた。JICAシニアボランティアとして長く太鼓指導を続けてきた蓑輪さん。日本文化の伝承にここまで熱意を燃やした人はそう多くない。3年といわず、5年、10年と続けて欲しいもの。

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