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東西南北

 2017年はルーラ氏が実刑判決、そしてコーロル氏が被告と、元大統領が共に汚職で過去の履歴を汚す事態が続いている。奇しくもこの2人は1989年、軍政終了で民政復帰がなった後の初めての大統領直接選挙で決選投票を争っている。民主国家としてのブラジルの未来を託したはずの2人が、こうして裁かれる姿を見て、複雑な心境を抱く国民も少なくないだろう。とりわけコーロル氏に至っては、大統領職を罷免され、長い沈黙の後に上院議員として復活してもこのありさま。コーロル氏自身が情けないというべきか、過去の不名誉を寛大に見て、3度の上議当選を認めてきたアラゴアス州民が甘すぎるというべきか。
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 23日付本面で、20、21日にサンパウロ市で4人の女性が現・元伴侶に殺された件を報じたが、18日は、16日にサンパウロ市西部ジャグアレーで起きた母子殺害事件で、離縁した夫のアンドレ・ルイス・サントス容疑者(25)が逮捕された。同容疑者は16日未明、ミザエリス・ダ・シウヴァさんと口論になり、ミザエリスさんを絞殺。同容疑者は生後7カ月の息子を浴室で水死させた後も部屋に戻り、ミザエリスさんの首を絞めなおしたという。
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 本日付で報じたパラー州での船の沈没事故は、この日、ブラジルのメディアが最も注目した出来事の一つだったが、船体の引き上げより行方不明者の捜索や救助が優先されていることや、捜索も難航していることなどで、沈没の原因究明などはなかなか進んでいない。本紙読者の方にも気にする人が多いと予想されるため、詳細は分かり次第届けたいところだ。

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