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太鼓に青春をかける若者たち(上)=全伯優勝チーム源流太鼓=リーダー渡部ひかりさんの葛藤

蓑輪さんアドバイスを一心に聞く渡部さん

蓑輪さんアドバイスを一心に聞く渡部さん

 メンバーとのコミュニケーションやチームの統率に思い悩む10代のリーダーたち――。太鼓指導者・蓑輪敏泰さん(69、宮崎)主催の「和太鼓リーダー研修」が、12、13両日に行なわれ、聖州内19団体からリーダーや中心メンバー52人が集まった。チームを率いる中で、様々な壁に直面し、それを乗り越えようとする若者たちの姿を取材した。

 

 研修は蓑輪さんの講演を中心に進められ、メンバーへの指導やチームの目標設定の重要性など、主にリーダーが担う役割について論じられた。

 参加した源流太鼓(カッポン・ボニート)のリーダー、渡部(わたなべ)ひかりさん(17、3世)は、メンバーをまとめることができず悩んでいた。

 源流太鼓は全伯太鼓大会で3年連続2位だったが、昨年の大会で念願の優勝を果たした。今年3月には日本で開催された「日本太鼓ジュニアコンクール」にブラジル代表として出場し、第5位に入賞した。

 その後、渡部さんがリーダーになったが、渡部さんは自分がリーダーになってから、メンバーの士気が下がったように感じていた。ここ数年、全伯大会で優勝することを目標に一丸となって努力してきた。結果として大きな成果を残すことができたが、メンバーの緊張感が薄れ、気が抜けている様に感じられた。

 さらに、前のリーダーと違って、メンバーが自分の言うこと聞かない。チームを管理する責任者からメンバーに話をしてもらい、少しは改善したが、抜本的な解決とは言えなかった。

 渡部さんはリーダーとして自分がグループをまとめる必要があると考え、研修終了後に蓑輪さんに相談。話を聞いた蓑輪さんは「ゼロからのスタートだ」と言った。

 「源流太鼓が頑張ったことは良く知っている。でも『次もいい成績が取れるだろう』と思っていてはダメだ。プライドはあってもいいが、自分たちの中にしまって置くものだ」。渡部さんは真剣な面持ちで、一言も書き漏らすまいとノートにペンを走らせた。

 「次の全伯大会に向けて緊張感を取り戻さなくてはいけない。そういう話をひかりから皆にできるか?」と蓑輪さんが問うと、渡部さんは決意を固めた表情でうなずいた。笑顔を見せた蓑輪さんは「私がカッポン・ボニートに行って指導してもいい。いつでも連絡をして」と話した。

 話を終えた渡部さんは「勇気付けられました」と表情を緩め、「言われた通りにやってみようと思う」と話した。

 研修には全国太鼓協会副会長の田中光男マルコスさん(34)も参加していた。長年チームの指導に当たった経験を持つ田中さんは「チームを率いるためにはメンバーと腹を割って話をすることが重要。そうすることで問題なく接することができる」と言う。

 現在、田中さんは従業員13人を雇って、観葉植物の販売店を経営している。「従業員と接するときも同じ。太鼓から学んだことはきっと将来に生かされる」と、自らの経験に基づく考えを語った。(つづく、山縣陸人記者)

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