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バイーア州=五十嵐農牧を500人が破壊=被害総額1千万レ以上か=灌漑設備や農機など全て

 バイーア州都サルバドール市からおよそ900キロ離れた最西端、コレンチーナ市にある五十嵐農業牧畜株式会社(Lavoura e Pecuaria Igarashi Ltda.)所有の二つの農場がフィナードス(死者の日)の2日に、破壊目的の抗議グループによって襲われた。新規導入された灌漑設備に対する抗議を名目にした500人規模のデモ隊は、灌漑設備をはじめとした電気系統設備や機械類に対する破壊活動を繰り広げ、壊滅的な打撃を与えた。被害総額はおよそ1千万レアルに上る見込みといい、日系農業関係者からも怒り心頭の声が挙がっている。地元紙コレイオ等が7日付で報じた。

 2日、デモ隊は鉄パイプや大型ナイフなどを持って、敷地に侵入。新設された計32の灌漑ピボットのみならず、トラック、収穫機、ショベルカー、地ならし機、トラクターなど全ての電気系統設備や機械を破壊した。市警がデモ隊を追放し、撤退したのは翌3日になったという。
 今回被害に遭ったのは、リオ・クラーロ農場と近接するクリチーバ農場の2つ。同社は、じゃがいも、人参、フェイジョン、トマト、玉葱、葫等を大規模栽培し、2つの農場に新たに灌漑設備を導入していた。
 破壊活動に加わったと目されているのは、同社の灌漑の水源となっているアロジャード川沿岸に居住する農業や牧畜業者。同社が125平米、水深6メートルの貯水タンクの建設開始した2カ月前から不満が高まっていた。捜査にあたった市警は「破壊活動の参加者は、吸水ポンプの稼動開始により川の水位が下がったと主張している」と報道されている。
 この事件を受けて6日、ルイ・コスタ州知事は、事件究明と同市における警備強化を決定。「新たな侵入を防ぎ、どのような個人又は組織が私有財産の破壊的活動を支援していたのかを究明する」と発表した。
 ブラジル・デ・ファット紙7日付けによれば、事件への関与が強く疑われる土地なし農民運動(MST)は、7日の公開文書で、偽情報だとして関与を一切否定。同運動は「偏見に満ちた推論であり、メディアの調査不足」と強調する一方で、「農業関連産業への告発と土地に対する国民の権利を支持する」と声明を発表した。
 コレイオ紙によれば、同社は同州環境局から15年に正式に認可を得て2530ヘクタールの農地の灌漑にあたり、一日あたり1万8千立方メートルの水を吸引することが認められていた。
 公開文書で同社は、「侵入者による今回の行為は、不条理で、犯罪的かつ残忍な破壊活動を助長するものだ」と糾弾し、「全ての事業は環境局の認可を得たもの」と強調。「同社の権利の保障と破壊行為に関与した全ての個人の責任を追及するため、いかなる法的手段も辞さない」と声明を発表した。

 

五十嵐農牧襲撃に怒り心頭=「日系農業者の三本指なのに

五十嵐農牧社のロゴ

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 五十嵐農牧経営者の友人で、隣町バレイラスに13年居住し、農産品販売会社で4年間販売理事を務めていた上辻ネルソンさん(二世、68)は、「よくもあんなヒドイことができたもの」と同業者として怒りを表わした。
 事件後、友人伝いに五十嵐さんの様子を聞いているが「本当に冷静沈着な人。事件については全て弁護士に任せている様子」という。ブラジリアやクリチバでも大規模農場を経営し、「日系人のなかでも三本の指に入る人なのに」という。
 同社は5年掛かりで設備近代化を進め、先月ようやく稼動開始したばかりだったといい、「来年からの生産を期待する矢先の事件だった」と声を落とした。
 「この破壊活動がどのように始まったのか解明されていないが、500人も動員できたのはMSTの関与があったのではないか。法に基づいた組織でないため、真相究明は難しいかもしれないが、法的な裁きを受けるべき」と語った。
 今回の事件を受けて、中央開発株式会社(CKC)の本田泉コーディネーターも「何といったらよいか。残念というほかない」と声を落とし、「本件を会議でもテーマとして取上げ、農業団体がこのような被害に遭わないよう、対策を考えていきたい」と語った。

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