ホーム | 日系社会ニュース | ■ひとマチ点描■全伯珠算大会で異例の最年少優勝=成長の秘訣は競争心

■ひとマチ点描■全伯珠算大会で異例の最年少優勝=成長の秘訣は競争心

優勝に笑顔を見せた龍樹君

優勝に笑顔を見せた龍樹君

 先月29日に開催された『第59回全伯珠算選手権大会』で、総合優勝と理事長杯の二冠を達成した岡田龍樹君(平成そろばんアカデミー)。最年少記録を10歳近く大幅更新し、弱冠8歳の少年の異例の優勝に、会場はどよめきが上がった。
 総合問題には、平方根による開法が含まれ、通常それが小学生にはハードルとして立ちはだかる。ところが、龍樹君は開法を得意とし、中高生や大人に混じって一位を獲得。更に、そろばんを習い始め僅か一年半というから驚きだ。
 異例の早さで才能を開花させた龍樹君。その秘訣を母親まゆみさんに聞くと、本人の競争心にあるという。「大人と同じ条件でも、努力次第で勝つことが十分期待できる競技。そこが彼には魅力なのでしょう」と語る。
 競技のなかでも、龍樹君が特に好きだというのが読み上げ暗算。筆記形式の総合問題と異なり、サドンデス形式で行われ、問題ごとに人数が絞られる。特に緊張感を強いられ、集中力が必要とされる競技だ。最後の二人に残り、問題が長時間続いたが見事粘り勝ち。まだあどけない表情だが「いい緊張感で戦えた」と大人顔負けだ。
 目を細めて龍樹君を見ていたまゆみさんも「頼もしく思う。本人が実直に取組んできた成果」と喜びを見せた。昨年優勝者の憧れのお兄さんと同じクラスで学び、週一日から始めて現在は特待生扱いで週4日通っているという力の入れよう。
 駐在員子弟だが、「日伯両国の良い所を吸収して育って欲しい」との両親の願いを受け、午前はブラジル人学校、午後は日本文化に触れるための学外活動と二束の草鞋を踏む。日伯両国の掛け橋となる逸材として、龍樹君の今後の成長に期待大?! (航)

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