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文協評議員会=国士舘の開発計画を承認=正式に110周年の目玉に=文化ホール、史料館改装も

評議委員会の様子

評議委員会の様子

 ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)は9日、『第153回定期評議員会及び臨時評議員会』を行った。評議員66人(代理出席13人含む)出席のもと、移民110周年記念事業「国士舘大学スポーツセンター開発計画」が全会一致で承認された。また、18年度の事業計画案及び予算案が承認され、来年度中の文協文化ホール完成や移民史料館改装も盛り込まれた。

 定期評議員会では、山下譲二評議員会会長が18年度の事業方針として、1)文協独自の110周年記念事業の拡充、2)文協文化ホールの完成、3)移民史料館の改装を提示。事業計画案及び予算案には、その方針が反映された。
 15年4月に着工した地下一階の文化ホールはおよそ7割方が完成。展示や日本文化や和食料理のワークショップ等が催されるホールとなり、一月に和食普及センター、二月にエレベーターが完成する見通しだ。ガルボン街側には新たな玄関口も設置され、18年度中の完成を見込む。
 移民史料館は、最新式マルチメディア方式を駆使した改装と9階の雨漏予防などを含む基礎工事を、移民110周年及び史料館創立40周年記念事業として行う。総額260万レ以上に上る見込み。まだ資金の目処は立っておらず、来年度中の改装は困難が予測されそうだ。
 110周年記念事業の一環として、史料館では着物展示会と着物ショーを行う企画も。高岡専太郎渡伯100周年記念特別展を含む4つの特別展企画も検討中。
 18年度予算案として移民110周年式典等を含む特別予算も合わせて収入512万5千レアル、支出486万レを計上。10月までの今年度会計は、史料館及び国士舘が足枷となり、およそ13万5千レの赤字を計上。三年連続の赤字となる見通しが濃厚だ。
 臨時総会では国士舘開発計画について説明。環境法制に準じて建築可能な土地を選定し、大中小の3つの広場を再開発する。優先順位としては、道路に面した入口のインフラ整備。レストランなど商業施設や地域物産展を催す施設を拡充する。桜祭りで利用される中広場にパビリオンを新設する。イベント会場や調理スペースを含む多目的スペースとし、第一期工事費は概算で200万レに上る見込みだ。
 110周年記念祭典委員会の菊地義治実行委員長は事業の進捗状況について説明。日系社会の主だった個人に向けた資金集めは100万レを越え、若手を中心に協力券(リッファ)の販売も好調とした。
 国士舘開発計画について「赤字事業である国士舘の再開発により、利用価値のある施設とすることで将来の文協の支えとなる」と意義を説明し、「文協には全伯のトップになってもらいたい。移民200周年に続く遺産となれば」と見通した。
 中南米日系社会との連携に関する有識者報告書についても審議が行われた。山下会長は「110周年を機に、日本との連携を図り、日系社会を活性化させてゆく機会となるはず」と意義を語り、報告書の内容について検討する委員会の設置も承認された。