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《ブラジル》法定アマゾン=森林伐採で漁獲量も減少=影響は少雨、干ばつ以外にも

 法定アマゾンの森林伐採と牧場増加が、雨量減少や長期間の干ばつ、水系崩壊などを招いている事は以前から言われていたが、ブラジル人科学者らが米国で行った研究により、森林伐採が魚の生産性などにも影響している事が判明したと14日付現地紙が報じた。
 バージニア工科大学天然資源環境学部のレアンドロ・カステロ教授らが発表したのは、1500カ所の湖を含む、3万6千カ所で得たデータと衛星写真などを総合的に分析した研究の成果だ。
 同教授らは12年間かけ、1千平方キロに及ぶ魚の繁殖地を丹念に調査。漁師への聞き取り調査も行い、1500カ所の湖での魚の生産性に関するデータを集めた。
 この調査で解明した、法定アマゾン内3万6千カ所での漁獲量や季節毎の魚の動きなどは、衛星写真によるデータと掛け合わせて分析された。
 これにより、湖の周辺に森林がある(残っている)所は、魚の生産性が高く、漁師達の収入も多い事が判明した。これは、湖周辺の森林が伐採されると、漁業収益も減少する事を意味する。
 カステロ教授は、「森林伐採は地上だけの問題ではない。森林伐採は、世界でも最も貧しい人達が住む地域に生息する魚の減少も招いている」と結論付けた。
 同教授は、「洪水平野の森林は、魚を守り、多くの種類の魚が餌とする虫の棲みかとなる。森林の中には、魚の餌を供給するような植物も生育している」と強調。アマゾンの洪水平野は、世界中の淡水系システムの中で最も生産性が高く、地域住民の食を守り、水辺に住む人々の収入を確保するためにも森林保護は不可欠だとも説いた。
 米国の地球開発研究所のダヴィ・マクグラス所長は、「牧畜業と漁業の競合は洪水平野で暮らす人々の懸念事項だが、森林喪失と魚の生産性の関係についての詳細な研究は一度も行われた事がなかった」と述べた。
 漁業関連のデータ収集を担当したパラー連邦大学のヴィトリア・イザッキ教授は、「無計画な土地開発などの人的介入により、アマゾンの様相は劇的に変化している」と指摘。カリフォルニア大学地球調査研究所のラウラ・ヘス研究員も、「アマゾンの漁業と森林伐採との関係についての詳細かつ画期的な研究」と賞賛している。

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