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サンパウロ市=極南部でも黄熱病の予防接種=隣接市で感染したサルが死亡

 【既報関連】サンパウロ市保健局が20日、同市極南部でも黄熱病の予防接種キャンペーン実施を決め、21日から開始したと21日付現地紙サイトが報じた。
 キャンペーンの対象となるのは、エンジェニェイロ・マルシラッキ、パレリェイロス、ジャルジン・アンジェラ、カッポン・レドンドの各区で、域内の保健所38カ所では50万人に対応するべく、用意している。保健所の多くは、午前7時から午後4時まで対応するという。
 サンパウロ市極南部でのキャンペーンは、同地域から4・5キロしか離れていないイタペセリカ・ダ・セーラ市で、黄熱病に感染したサルの死体が見つかった事がきっかけで実施が決まった。
 マルシラッキ、パレリェイロスの両地区の農村部では、保健所職員が住民の自宅に出向いて予防接種を行う事になっているという。
 サンパウロ市では、10月に北部の公園で見つかったサルの死体が黄熱病に感染していた事が確認され、同月21日から、北部にある保健所90カ所で住民への予防接種が行われている。今月20日までに予防接種を受けた住民は110万2106人に達したが、保健所を訪れる住民の数は当初の半分程度に減っているという。
 サンパウロ市ではその後、東部のチエテ環境公園でも黄熱病に感染したサルの死体が見つかり、公園近辺の住民への予防接種が呼びかけられた。
 同市での予防接種キャンペーンの範囲は拡大しているが、現時点では、森林型(農村部も含む)と市街地型のいずれでも、黄熱病患者の発生は確認されていない。
 サンパウロ州保健局によると、同州内では今年、23人の患者発生と10人の患者の死亡が確認されている。サンパウロ市北部や同市チエテ川沿い、オザスコ市やジュンジアイー市は、カンタレイラ水系を共有する同じ環境圏にあり、予防接種キャンペーンが展開されている。
 なお、予防接種キャンペーンの対象区域外に住んでいても、国外も含む感染地区、または、感染が疑われる地区に出かける予定の人は、現地に赴く10日前までに予防接種を受けた方が良い。

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