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故田中信さんの蔵書が文協へ=1534冊寄贈、図書館で活用

寄贈本の山と喜ぶ文協職員ら

寄贈本の山と喜ぶ文協職員ら

 ブラジル日本商工会議所会頭、PLゴルフクラブ理事長などを務め、昨年10月10日になくなった田中信(まこと)さん(享年89)。田中さんの蔵書1534冊が10日、ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)の図書館に寄贈された。
 寄贈を申し出たのは未亡人のニウセさん。文協のHPで紹介することを条件に書籍1534冊を無償で受け渡した。
 書籍は30箱以上に詰められ、図書館員総出で確認作業を行った。商工会議所会頭としてブラジル経済を見つめ続けた田中さんらしく、経済に関する本が多かった。他にも海外や日本の文化についての本、小説、写真集などが寄贈された。
 館員の及川エドワルドさんは「図書館の蔵書とほとんど被っておらず、内容の良い本が沢山揃っている」とし、「状態も非常に良い。生前、本を大切に扱っていたんだと思う。寄贈していただき大変ありがたいです」と謝意を示した。
 寄贈された本は今後、活用方法が検討される。蔵書とする場合は、分類分けし、番号を割り振ったテープを張って管理する。古本市で一部販売することも考えられる。
 田中さんは1928年3月31日、山梨県生まれ。73年に来伯し、銀行や監査法人で勤め、94年に定年退職した。
 03年にはブラジル日本商工会議所会頭に就任。09年に退任し、PLゴルフクラブ理事長を務めた。訪日のため米国ヒューストン市の空港で経由していたところで倒れ同病院に搬送、入院。昨年10月10日に惜しまれながら亡くなった。

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