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《ブラジル》ベロ・モンテ水力発電所=希少種の魚に絶滅の危機?=広域停電後に別の発電所停止

 パラー州のベロ・モンテ(BM)水力発電所が本格稼動し始めたら、シングー川に棲む希少種の魚が絶滅する可能性があると18日付現地紙が報じた。同発電所は建設前から、生態系への影響など、様々な問題を指摘されていた。
 現在のBM発電所はテスト稼働中で本格稼動とは程遠いが、それでも、シングー川流域のヴォウタ・グランデ(VG)と呼ばれる地域の住民や先住民は、食用にするパクなどの魚の漁獲量が減ったと感じている。
 また、ダムに水を入れ始めた2015年には、普通の川だった部分が巨大な湖と化した事が原因で16・2トンの魚が死に、3530万レアルの罰金を課せられた。今年も、1トンの魚の死骸が浮き、タービンの稼動試験中止命令が出された。
 さらに、国内外の専門家8人が行った研究によると、BM発電所が本格稼動し始めれば、ダムの下流はダム放水分しか水が流れなくなるなど、水中の酸素量や水量、流れの速さ、水温その他の変化は不可避で、VGのみに生息する縞模様のアカリ・ゼブラなどが絶滅する可能性が高いという。
 これに対し、BM発電所を管理するノルテ・エネルジアは、2012年以降、絶滅した魚は観察されていないし、来年行われる18基のタービン全ての稼動試験で生態系に変化が生じた時は、稼動計画を見直すという。
 また、BM発電所にまつわる問題は、環境破壊や生態系の変化だけに止まらない。
 3月21日に起きた、北部や北東部など、14州での広域停電の際、マラニョン州のエストレイト水力発電所のタービンが壊れ、今も運転停止となっているのだ。
 広域停電はBM発電所に近い、シングー変電所内の人的ミスによって起き、7千万人に影響が出たが、川の増水期のために最大出力で稼動していたエストレイト発電所では電力を送り出す事が出来なくなり、短絡状態になったタービン8基が損傷。最近になって2基は動かせるようになったものの、部品全ての交換が終わるのは5月下旬か6月上旬になるという。
 同発電所の出力は1087メガワットで、400万人に電力を供給していたが、現在は自由市場から電力を購入して、消費者に供給しなければならなくなっている。

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