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腰痛予防はロボットに学べ?!

ホンダが開発した二足歩行ロボット「アシモ」(By Morio [CC BY-SA 3.0, from Wikimedia Commons])

ホンダが開発した二足歩行ロボット「アシモ」(By Morio [CC BY-SA 3.0, from Wikimedia Commons])

 「ズキッ!」――不気味な怪音が腰の内側から響いた。朝起きて洗面台で顔を洗っている時だ。そばにいた家内が「キャー、何、今の音」と叫ぶ声を聞きながら、気が遠くなるような感じでその場に座り込んだ。「ギックリ腰だ。またやってしまった…」と頭を抱えた。3年前のことだ▼20代のころから4、5度もやっているが、こんなに大きな音が響いたのは初めてだった。20年ほど前の一番酷かった時には3日間、一人では立ち上がれないことがあった▼さすがにマズイと思い、インターネットで原因と対策を調べた。腰痛最大の原因は「人類の進化」にあるとは、多くの専門家が指摘する点だ。獣時代は四足歩行していたから、頭や内臓などの重みは手と足の4点で分けて支えていた。ところが進化して「立ち上がった」ことにより、上半身全体の重みを背骨と足が支えるようになった。無理して立っている歪みが腰痛や肩こりとして出ているらしい▼特に頭の重みはすごい。50キロの体重の人なら、頭だけで5、6キロもあるという。ボーリングの球、もしくはスーパーの米袋の重さだ。あれを四六時中、手で持ち歩いていると想像してほしい。つまり、頭を前にかしげていれば、手を前に出して米袋を持っているのと一緒だ。30秒もしたら腕と腰の筋肉がブルブルと震えるぐらいに疲れる。その疲れがたまると肩や腰の凝りになるのだという。それが慢性的になると肩こりや腰痛になる。頭に加えて内臓の重みが腰にはかかる。どう予防すればいいかといえば「姿勢を正す」しかない▼人の体は一番重たい部品(頭)が、一番上にあるから、バランスをとるのが難しい。カボチャに1メートルの棒を刺し、カボチャを上側にして棒の下側を手で握り、ゆらゆらとバランスを保ちながら立たせ続けるイメージだ。垂直を保たないとスゴイ握力が必要になる。つまり頭〈カボチャ〉をまっすぐに背骨(棒)で支えて腰(手)にのせ、腰から下は常にゆらゆらとバランスを保つという感じだ。背中をそらして腰を少し突き出す「へっぴり腰」を保つのがコツだ▼ときどき壁や柱の角に背中を当て、頭や背中、腰、かかとが接し、背筋がまっすぐになっているかをチェックした方が良い。意識して顎を引かないとまっすぐにならない▼目が悪い人はパソコンやスマフォの画面や本などに目を近づけ、頭を突き出した姿勢になりがちだ。前かがみになると、前述のように肩や腰にとんでもない負担がかかる▼難しいのは、顔を洗ったり、重たいものを持ち上げたりして前傾姿勢になるときだ。とのとき、猫背のまま上半身をあげると、腰にくる。だから、へっぴり腰を保って背筋を伸ばしたまま膝でしゃがみ、腰全体で持ち上げるようにする。椅子に座り続ける姿勢も大事だ。頭の重さを腰の上にのせるように重心を意識する▼歩く時も、前のめりにならないように気を付ける必要がある。心持ち膝から下をまげて、ためるような感じにするとバランスがとりやすい。日本舞踊の踊り手や剣道の剣士も、そのような姿勢にみえる▼ある日、テレビでホンダの二足歩行ロボット「アシモ」が走っている姿をみて、「これだ!」と膝を叩いた。少し不細工な走り方ではあるが、まさに背筋を伸ばしつつ腰を落として重心を安定させ、膝をためてバランスをとりながら走っている。科学的に一番合理的な走り方を研究した成果が、ロボットに結晶している。いまはヒトの方がロボットに学ぶ時代かもしれない▼「いい姿勢を保つ」には筋肉が必要だ。腹筋や背筋に加え、足が与太つかないよう太ももの外側の筋肉も鍛えた方が良いようだ。座った状態で両ひざの下に長めのタオルを通し、両側から出して上でまとめて手をギュっと握り、膝を外側に開くように力を入れ、10秒、20秒間ほど保つトレーニングがよく紹介されている。足が与太ついて変に倒れると、取り返しのつかないことになるから要注意だ▼コラム子はこれで30年来の腰痛が3年前からなくなった。読者の皆さん、騙されたと思って、ときどき柱に背筋を当てて姿勢に気を付けてみませんか。(深)

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