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《ブラジル》トラックストで批判浴びた軍事介入の叫び=軍関係者はむしろ遵法強調=「右翼の英雄」らも続々否定へ

5月29日のリオでのストの様子(Tomaz Silva/Ag. Brasil)

5月29日のリオでのストの様子(Tomaz Silva/Ag. Brasil)

 5月28日に大きく報じられはじめ、トラック運転手のストを弱める契機にもなった、一部過激派による「軍事介入」「連邦政府打倒」の叫びは波紋を広げ、各方面で批判が強まっている。5月31日付現地紙などが報じている。
 政治団体の極右分子がトラック運転手のふりをしてストにまぎれ込み、連邦政府への直接要求とは無関係な軍事介入を求めたり、運転手をなかば誘拐してストに強制参加させたりしていた事実は5月31日付、1日付本紙でも報じたが、この行為に批判的な見解が相次いでいる。
 5月29日、大統領府治安局長のセルジオ・エチゴエン陸軍大将は、軍事介入について聞かれ、「前世紀の話だ」として一蹴した。
 さらに、陸軍予備役大将のジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ国防相も「軍は100%法に従うことを考えており、内部にはそのような反乱の兆候さえない」と発言し、軍事介入を求める声に不快感を示した。
 また、最高裁のカルメン・ルシア長官も5月30日、「民主主義こそ唯一の合法的な解決方法」だとして、軍事介入を強く否定した。
 また、右翼の国民に強い支持を受けていた人たちも、軍事介入に批判的だ。4月にルーラ元大統領への人身保護令適用か否かの際に、ツイッターで強く反対し、脅しをかけるような発言をしたと解釈されたエドゥアルド・ヴィラ・ロボス陸軍司令官は、今回のトラックストに関し、「平和的な解決を望む」とだけ発言し、軍事介入に否定的な態度を示した。
 また、普段、福音派寄りの保守的な発言で知られ、右翼の人から「右翼姫」とまで称されているSBT局ニュースキャスターのラケル・シェへラザーデ氏も、ユーチューブを通じて今回のストを「ただのポピュリズム」と語り、国の混乱について「ベネズエラのような国になりたいのか」と強い口調で批判した。
 ジウマ大統領罷免の際の抗議活動で有名になったブラジル民主運動(MBL)のリーダー、キム・カタギリ氏も、MBLを今回のストに後押しさせず、沈黙していたとして右派の人々から批判を受けた後、「これではレーガンというよりスターリンだ」と発言し、今回のストを批判した。
 この流れを受けた後、極右大統領候補のジャイール・ボウソナロ氏は5月31日、リオで行われた「イエスの行進」に参加した際、「私は軍事介入を支持したことは一度もない」と宣言した。

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