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デカセギから日本文化伝道師に=大人気ユーチューバー夫妻=移民110周年の記念動画製作

ローガン夫妻の110周年記念動画(「Japao Nosso De Cada Dia」より)

ローガン夫妻の110周年記念動画(「Japao Nosso De Cada Dia」より)

 動画共有サイトユーチューブで約205万8277人(6月1日現在)の登録者数を誇る、在日伯人ユーチューバー、栗山プリシラさん(Prit、34、三世)とローマン・タレス・ジョナタンさん(Lohgann、35、三世)夫妻が、日本移民110周年の記念動画を作成公開し、視聴者数をドンドン増やしている。日本文化や風習を説明するポ語ビデオを作ってブラジルに発信する「日本文化伝道師」だ。在日伯人ユーチューバーの中でも圧倒的な人気を誇る同夫妻にメールで取材した。

 登録者数「約205万8277人」がどれぐらいすごいかといえば、日本のユーチューバーであれば23位に入る多さだ。日本では非常に人気が高い職業で、小学生が将来なりたい職業アンケートで堂々の6位(日本FP協会)に入る。
 同夫妻はブラジルの同チャンネルに登録しているため、50位の登録者数が560万人のユーチューブ大国ブラジルでは、日本より下の順位。それでもユーチューバーとして十分に生計を立てられる数字だ。
 夫妻のチャンネル視聴者の90%が伯国、ポルトガルから5%、日本からも3%。しかも「毎月3万人ずつチャンネル登録者が増えている」。ブラジル人が持つ日本の印象に大きな影響を与える二人だ。実際、人気が高いため昨年12月15日にSBT局の人気番組「The noite com Danilo Gentili」に出演した。
 Pritさんは2005年に訪日した当時、普通のデカセギだった。「ブラジルの給料は少なく、大学にもいけなかった。仕事は残業が多かったし家族との距離も遠いけど、治安の良い日本で頑張って生活したいと思った」。一念発起して日本の専門学校「長野ビジネス外語カレッジ」の国際コミュニケーション学科を卒業した。
 ローガンさんも「家族を手伝うために日本で働こうと来た」とのこと。「ブラジルの家族と離れているのは寂しい。でも教育や礼儀など日本で働くことで学べることがたくさんある」。
 埼玉県在住の同夫妻は、ブラジルの友人や親族に現地の生活を見せたいと考え、13年7月にユーチューブのチャンネル「ジャパン・ノッソ・デ・カーダ・ジア」を立ち上げて動画投稿を始めた。以来、日本の食品や製品を紹介するシリーズが人気を呼んでいる。


 今回の110周年ビデオ(www.youtube.com/watch?v=nPwt0iPdVaU)は、在リオ日本国総領事館から委託されて製作。日本移民の歴史とデカセギの体験を重ね合わせながら楽しく紹介する15分ほどの映像だ。3月29日に公開して以来、すでに再生回数は8万2370回を数え、1万4千人が「高く評価」ボタンを押している。
 夫妻は「もっと日本について世界に紹介したい。商品や食べ物だけでなく、文化、観光スポットや日本人の考え方も皆に知らせたい」との抱負を抱く。人気の秘密を聞くと「視聴者数やチャンネル登録者数の工夫はない。とにかく良い動画を作ること」とのこと。
 夫妻は「今回のビデオ撮影を通し、祖父母のことを考える機会になった」とふり返った。「インターネットもない時代に他国に行って新生活を始めようとした人達はすごい! 私達ももっと頑張らなきゃ」とルーツに思いを馳せた。

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