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《ブラジル》主要メディアが共同でフェイクニュース防止に乗り出す=より公正な選挙実現に向け

(証明書計画について報じるエスタード紙)

(証明書計画について報じるエスタード紙)

 選挙期間中における嘘の報道(フェイクニュース・FN)の氾濫を食い止めるため、20社以上の報道機関が共同で「コンプローヴァ(証明)計画」を立案し、28日にブラジル調査報道協会(Abraji)総会で発表されたと、28日付現地紙・サイトが報じた。

 大手紙のフォーリャ(F)、エスタード(E)などが共同で、インターネットなどで蔓延する根も葉もない噂やFN、選挙民を欺き世論を操作しようとする試みを暴き、真偽を確認する。活動が実際に動き出すのは8月6日からだ。
 証明計画に参加するメディアは、FNの拡散を防ぐため、動画や画像、アニメーションなどを用いて、嘘を修正した情報を国民に伝える。真偽の確認は複数の情報源を用いて行われ、少なくとも三つ以上のメディアが嘘と確認するまでは公表されない。
 また同計画では、ブラジルで広く利用されているメッセージアプリ、ワッツアップの番号も公開して、市民から真偽の怪しい文章、画像、映像、音声を募集する。
 「選挙期間中にFNが氾濫すれば、健全な選挙を阻害する。FNと対峙することはジャーナリストの義務だ。本紙はこれに本腰で取り組む」と、E紙の編集長ダヴィジ・フレイヂランダー氏は語る。
 証明計画は、米国ハーヴァード大関連の研究機関ファースト・ドラフトの主導で生まれた。同ドラフトは、インターネット上のFNを調査する機関で、昨年行われたフランスの選挙でもFNに対抗するメディア連合を組織した実績がある。
 同ドラフトのディレクター、クレーリ・ワードル氏は、「例えばブラジル人が『携帯で叔父さんから何か送られてきたけど、これ本当?』などと、真偽を確認するための最初の手段として真っ先に頼りにするような存在に、証明計画がなることが望ましい」と語った。
 E紙、F紙の他に、バンジTV局、AFP通信、エザーミ誌、SBT局、UOL、Veja誌などが証明計画に参加するが、最大手のグローボTV局は現在のところ参加を表明していない。グーグルニュースとフェイスブックジャーナリズムは、スタッフへの技術指導の他、資金面でもサポートする。
 Abraji会長のブラマッチ氏は、「FNとの戦いは各メディアが手を取り合って行わねばならない。今回ほど、多くのメディアが協力したことはない。Abrajiがその一翼を担う事が出来て誇りに思う」と語った。
 なお、証明作戦の公式サイトはhttps://projetocomprova.com.br/