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ポルト・アレグレ=日本祭りに過去最高9万人=地域に愛される一大イベントに=来場者ほぼ全員が非日系人=(上)

満場総立ちで拍手が送られた太鼓演奏

満場総立ちで拍手が送られた太鼓演奏

 リオ・グランデ・ド・スル(南大河)州都ポレト・アレグレ市の「第7回日本祭り」(樋渡ミルトン実行委員長)が今月18、19日に軍警学校で行われた。過去最高の9万人が来場し、そのほとんどが非日系人だった。入場無料で、アニメのイベントも開催していることから、若者も多く呼び寄せている。市によって日本祭り前の平日が「日本週間」に制定されるなど、今や一般市民にとって〃冬の風物詩〃となっている。

 

 日本祭りは2012年、ポルト・アレグレ日本文化協会を中心に始まった。それまで日本文化を伝えるイベントが無く、日系団体の会員数も減る一方だった。「このままでは日本文化が残らない」との危機感が開催のきかっけになった。

 第1回から軍警学校を無償で借りて会場とし、体育館ではアニメフェスタ「ANIME BUZZ」を開催する。来場者から入場料を取らない代わりに、低所得者に寄付する保存可能な食品の提供を呼びかけている。

 第1回では3~5千人の集客を見込んでいたが、近隣住民やアニメファンが多く訪れ、1万5千人に。食べ物が初日の昼過ぎに完売し、その日の夜に大急ぎで翌日の分をつくった。

 来場者は年々増え、今年は過去最高となる9万人を動員した。州内のイベントでは開催期間が1週間以上のぶどう祭りと農器具展示会に次ぐ来場規模。市は今年から日本祭り前の平日を「日本週間」とし、日本映画の上映会を行った。

 同州の日本人は大半が戦後移民で、日系人全体でもポルト・アレグレ大都市圏で2千人ほどといわれる。日本祭りに関わる日系人の多くは芸能の出し物や日本食の出店を手伝っていて、来場者の方はほぼ全員が非日系だ。

 市立小学校教師のマルセロ・カスターニョさん(38)は5年生の児童27人を連れてきた。児童と来るのは今年が4年目で「日本移民の歴史や日本の文化を学んでもらいたい」と言う。生徒の一人、エンリケ・ヂアスくん(11)は「日本は雰囲気が違う。飾り(七夕の吹流し)がきれい」と嬉しそうに話した。

 メインステージでは和太鼓やエイサー太鼓、民謡など様々な日本芸能が演じられた。盆踊りでは500の観客席が埋まり、席の周りで踊るひとも。日本からは歌手の中平マリコさんと小川善久さんが出演。持参した日本移民110周年記念曲で盛り上げた。

 ロンドリーナ一心太鼓の演奏を熱心に観ていたイザベリ・べルレッチさん(18)は「力強くて生き生きしている」と感動した様子。日本語を2年間習っており「あまりしゃべれません、ゴメンネ」と日本語で恥ずかしがりながら、「日本は社会や文化が整っている。クールだわ」と話した。

 毎年フェイスブック上でボランティアを募集し、今年は大学生を中心に124人が集まった。その9割以上が非日系人で、会場案内や入り口でパンフレット配布などをして祭を支えていた。

 昨年まで来場者として遊びに来ていたタイス・ギマランエス・ヂ・ソウザさん(22)は「色々な日本文化に触れられるこの祭りが好き。責任がある今の立場のほうが楽しいわ」と話した。(つづく、山縣陸人記者)

 

 

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 ポルト・アレグレの日本祭りには50キロの距離にあるイボチ市から日系の小売業者などが10ほど出店し、野菜や和菓子、石けんなどを販売した。人口2万人のうち10%が日系人で、日本祭りには4年目から参加しているという。どら焼きなどの和菓子を販売していた浦上直也(うらかみなおなり)さん(65、熊本県)は「イボチでも月に一度、市場をやっていて、日本祭りの来場者がわざわざ来てくれる。日本祭りはいい宣伝になっている」と話す。日系人口が少ないながらも、支えあって日系社会を活性化しているようだ。

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