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安部順二氏=「私はフィッシャ・リンパだ!」=TRE、全員一致で出馬許可=フェイク・ニュースに終止符

安部順二氏(提供写真)

安部順二氏(提供写真)

 「私はフィッシャ・リンパ(潔白な経歴)だ!」――サンパウロ州高等選挙裁判所(TRE)が17日午後、安部順二連邦下議(民主運動・MDB)の統一選出馬を満場一致で承認したのを受け、本紙ポ語版Nippak紙の取材に、安部氏本人がそう強調した。4年前の選挙時以来、安倍氏はライバル陣営が出所と疑われる「フィッシャ・スージョだから当選不可能」などというフェイク・ニュース(虚偽報道)に悩まされてきた。

 フィッシャ・リンパ法では、第二審で有罪判決(=フィッシャ・スージャ)を受けた政治家は選挙に出馬できない。ルーラ元大統領もその規定によってクリチーバの連邦警察署内に留置されている。ところが安倍氏は有罪判決を受けていないにもかかわらず、出馬不可であるかのようなフェイク・ニュースが飛び交っていた。今回、州高等選挙裁判所が正式に出馬の承認をしたことで、改めて身の潔白が証明された。
 Nippak紙20日付けによれば、裁判ではファビオ・プリエト・デ・ソウザ連邦裁判官が「申し立てを棄却し、安部氏の立候補登録申請を承認する」と表明し、裁判官全員の支持を得た。
 申し立ては選挙地方検察局によるもので、「安部氏はモジ市市長時代の人事問題で有罪判決を受けた」との主張だった。2014年の統一選の際、同様の理由で安部氏の出馬に対し申し立てが行なわれ、フィッシャ・リンパ法の出馬停止リストに一時掲載されていた。満場一致となった今回の判決では、裁判官らは弁護側の主張を全面的に受け入れた。
 安部氏の弁護団の一人、フェルナンド・ネイッセル弁護士は「これで安部順二氏は、統一選への出馬を確認した。TREがフィッシャ・リンパだと認めたように、彼はサンパウロ州民の代表として選挙活動を継続することができる」と語り、「安部氏はいかなる決定的な有罪判決も受けたことがなく、連邦下議を務め上げる政治的権利を持っている」とした。
 同弁護士によると今回の申し立ては、2014年にTSEのルシアナ・ロッシオ長官(当時)が否認した申し立てを、再度蒸し返したもの。同弁護士は「安部氏の立候補の正当性には疑う余地がない」と強調した。
 ところが、安部氏に関しては今までSNSなどでフィッシャ・スージャであるかのような悪質なフェイク・ニュースが流され続けてきた。
 TREの判決を知らされた安部氏は、「真実が明らかになり、司法において正義が行なわれると確信していた。私はフィッシャ・リンパだ。いかなる有罪判決も受けていない。私はれっきとした正式な立候補者だ」と語った。