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《ブラジル》高等裁判所が裁判官への裁判特権維持=閣僚などとは異なる扱いに

 高等裁判所が21日に判事投票を行い、10対3で、高等裁や地域裁、地域労働裁、地域選挙裁の判事には、現状の裁判特権(フォロ・プリヴィレジアード、以下FP)を維持することを決めた。22日付現地紙が報じている。
 今回の投票で決まったのは、前記裁判所の判事が起訴された時は、当該事由が役職と関係あるかや、役職期間中に起きたかに関係なく、高等裁で扱うということだ。
 最高裁は今年5月、連邦政府の閣僚や上議、下議に関するFPは「在任中に起きた、役職に関連した事件に関してのみ」適用することとし、就任前の嫌疑や役職に関わりのない嫌疑に関する裁判は、嫌疑が生じた時点の役職などに応じた裁判所で行うことを決めた。
 STFの決定は、旧態然としたFP規定によって滞っていた裁判案件を開放するために行われたが、今回の高等裁の判断では「司法界のヒエラルキー」が重視された。
 これは、高等裁判事が家族に対して起こした傷害事件を契機に起きた論議で、自分を処罰したり解雇したりできる立場の高等裁判事を裁く1審判事の判断に偏りや誤りが生じうるとの懸念が、先のような判決を生んだ。FP維持に賛成したエルマン・ベンジャミン判事は、「判事だって人間。キャリアが浅いとどうしても偏った判断をしてしまうもの」とし、高等裁で裁くべきとした。

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