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《ブラジル》セアラー州の暴動7日目に=国家治安部隊を追加派遣

全焼したバイクの販売店(7日、フォルタレーザ、José Cruz/Agência Brasil)

全焼したバイクの販売店(7日、フォルタレーザ、José Cruz/Agência Brasil)

 【既報関連】就任したばかりのセアラー州刑務所管理局長が、刑務所の監査を厳しくし、犯罪組織への圧力を増す意向を表明した事に反発した犯罪者らが、2日夜から起こしている暴動は、6日目となっても収束せず、国家治安部隊(FN)の増員が決まったと7、8日付ブラジル国内紙、サイトが報じている。
 セアラー州内の刑務所には、サンパウロ州を本拠とする州都第1コマンド(PCC)、PCCと協力関係にある同州の犯罪組織グアルジオンエス・ド・エスタード(GDE)、リオ州が本拠のコマンド・ベルメーリョ(CV)の三つの犯罪組織の構成員と、これらの組織とは無関係の犯罪者が、別々の刑務所または棟に収監されている。
 だが、ルイス・M・アウブケルケ新局長は就任直後に、組織毎の分割収監を止め、携帯電話持込などの監査を厳しくするとの意向を表明し、犯罪者らの反発を招いた。
 暴動が最も多発しているのはフォルタレーザだが、その範囲は既に、39市に拡大している。また、攻撃対象は、バスや市役所、警察署、市議会といった公的なものに止まらず、銀行、ラジオ、車やバイクの販売店、自動車学校の車のような民間施設にも及んでいる。
 4日に派遣が決まったFN300人が5日から任務に就いた事で、犯罪者達による暴動の数は、3日の45件が、5日は38件、6日は23件のように減り始めた。
 だが、6日に犯罪組織の首領ら20人を連邦刑務所に移送する事が決まり、7日にはセルジオ・モロ法務相がFN200人の追加派遣を認めた事もあり、7日夜から8日未明にかけても、カウカイア市の橋の爆破など、公私に及ぶ施設への攻撃が続いている。
 8日早朝までの攻撃回数は159回に達し、逮捕者は168人(約半数はFN到着後)に上る。7日までに刑務所内で押収された携帯電話は407台に及ぶという。
 また、7日にはフォルタレーザ近郊で5歳児が被弾して死亡、15歳の青年も被弾して入院加療中という事件も起きた。また、自動車学校の車への放火で車中にいた教員が火傷を負うなど、複数の人が負傷。6日も、警官との銃撃戦で犯罪者2人が死亡している。

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