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人気俳優=Wモウラの初監督作がベルリン映画祭に=物議醸しそうな共産主義ゲリラの伝記

 ブラジル国内で人気・実力共にナンバーワン俳優の呼び声高く、大ヒット映画の「エリート・スクワッド」やネットフリックスのドラマ「ナルコス」の主人公として世界的にも知られるヴァギネル・モウラ。その彼が初めて監督した作品「マリゲーラ」が、「世界3大映画祭」のひとつ、2月開催のベルリン国際映画祭に出展されることになった。これが映画の内容そのものも含めて大きな話題を呼んでいる。
 それはこの映画が、1960年代のブラジルで、「過激派共産主義ゲリラ」として知られたカルロス・マリゲーラの伝記映画であるためだ。
 現在のブラジルは、2016年に消滅した左派の労働者党政権が崩れ、昨年の大統領選では、軍隊出身の極右のジャイール・ボウソナロ氏が当選し、右傾化が進んでいる最中だ。
 ラヴァ・ジャット作戦をはじめとした「腐敗政権」のイメージがついてしまった労働者党は、大統領選の決選投票に候補を送り、下院議員選でも2位にはなったものの、アンチの風当たりは強くなっている。
 そんな労働者党には、このマリゲーラのように、60~70年代の軍事政権時代に反抗の闘士として戦った政治家が多い。それだけに、「反労働者党」をモットーに掲げているボウソナロ氏の支持者の神経をかなり逆撫でしかねない内容だ。
 ヴァギネルと言えば、左派が圧倒的なブラジル芸能界でも屈指の論客で、選挙のたびに左派候補を強く推薦してきたことでも知られている。
 ヴァギネルはこの映画に関し、撮影を行っていた2017年のインタビューで、「政治的に偏った内容にはなっていない。ただ、〃誰が戦ったか〃を描いているにすぎない」と語り、さらに「(軍事政権がはじまった)1964年のブラジルを語っているわけではない。むしろ今のブラジルについての映画だ」と語っている。
 なお、マリゲーラを演じるのはヴァギネル本人ではなく、一般的には歌手として有名なセウ・ジョルジュがつとめていることも話題となっている。(10日付フォーリャ紙サイトより)

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