ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル・リオ州》「18年、軍の直接統治の効果は薄かった」と厳しい指摘=司法監視所が検証結果を発表=12億レアル国費投入の成果問う

《ブラジル・リオ州》「18年、軍の直接統治の効果は薄かった」と厳しい指摘=司法監視所が検証結果を発表=12億レアル国費投入の成果問う

昨年2月から12月いっぱいまで、リオ州は軍の統治下にあった(Vladimir Pratanow/Ag. Brasil)

昨年2月から12月いっぱいまで、リオ州は軍の統治下にあった(Vladimir Pratanow/Ag. Brasil)

 「効果は薄かった」――昨年2月から12月まで、テメル政権下で出されていたリオ州治安部門における直接統治令の効果を検証する報告書が発表され、そのような結論が出されたと14日付現地紙・サイトが報じた。
 この報告書を作成したのは、直接統治令司法監視所(Olerj)で、報告書によると、18年2月16日から12月31日までの10カ月以上で使われた公費は、12億レアルに上る。
 調査コーディネーターのパブロ・ヌネス氏は「10カ月に渡り、直接統治令で何が行われ、どんな効果があったか検証してきた。全体で4千人もが関わり、多大な国費が使われたが、効果は薄かったと言わざるをえない」と語った。
 リオ州治安局発表のデータを下にまとめられた報告書によると、州内の月別暴力殺人の発生件数は2月の569件から、12月は447件に下がり、故意の殺人も441件から341件に下がった。
 18年、直接統治令発令期間中(2月16日~12月31日)の殺人発生件数は4468件だった。17年の同期間は4866件だったから、約8・2%の減少だ。
 軍人の手による殺人(正当防衛など)は、18年2月には102件あったのが、12月には88件に減った。しかし、18年2月から12月まで、直接統治令期間中の総数は1375件で、17年の同じ期間の1029件から、33・6%の増加だ。
 また、盗難、強盗の発生件数は、2月の1万433件から、12月は9802件へと減少したが、2~12月の総数を17年と比較すると1%増加した。
 治安組織と犯罪組織間の銃撃戦、または犯罪組織同士の銃撃戦での死亡者数は、17年の6143人に対し、18年は6041人で約1・7%の減少だ。ただし州都リオ市と、その周辺諸都市バイシャーダ・フルミネンセでは、それぞれ9・4%、6・5%も銃撃戦の死者が減少しているのに対し、リオ州内陸部では15・8%増加している。
 「直接統治令に多くの軍隊や警察を動員した事で、かえって銃撃戦、警察の手による死者、流れ弾の被害は増加したのではないか」とヌネス氏は語る。
 報告書には「直接統治令の発令期間は320日間に及んだが、ロッシーニャ、マレー、シダーデ・デ・デウスなどの大型スラムの治安問題は改善していない」との厳しい指摘も並ぶ。
 直接統治令を担当したブラジル陸軍東方軍の広報官長、カルロス・シネッリ大佐は、「直接統治令実行局(GIF)もすでに昨年末いっぱいで閉鎖され、軍としても特にコメントはない」としている。

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