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照屋弁護士=「在日伯人の役に立ちたい」=今月から当地でポ語研修中=愛知の大嶽弁護士事務所に就職

照屋弁護士

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 【既報関連】日本の司法試験に一発合格し、在日ブラジル人初の弁護士となった照屋レナン・エイジ弁護士(27、沖縄系三世)。本年1月からブラジル案件も扱う大嶽達哉弁護士事務所(=愛知県名古屋市中区)に勤務しはじめ、在日伯人の法的支援をするのに必要なポ語研修のため今月初めに着伯した。大嶽さんは12年から15年まで聖市の国外就労者情報援護センター(CIATE)で専務理事を務めていた知伯派弁護士だ。今月20日、本紙を訪れた照屋さんに今後の意気込みを聞いた。

 

 「たとえばブラジル人が交通事故の被害者になった場合、日本人の場合に比べて提示される保険金が余りにも安い場合がある。僕ら弁護士が仲裁に入って保険会社に電話すると、相手の態度が一変して増額することがある」と話す。不当な現実がまだあるようだ。

 昨年6月現在、在日ブラジル人は19万6781人まで再び増加中だ。

 特に急増中の島根県出雲市では、ポ語での支援体制が追いついていない現状があり、「弊所や名古屋総領事館まで出雲から相談に来る人もいる」と話す。同事務所では、保険や不動産の賃貸借、自己破産など多岐に跨る相談を受付けている。

 「在日伯人が様々な被害に巻き込まれたり、問題にぶつかるケースが増えている。法律相談をポ語で対応できる弁護士は5人を切るくらいでは」。照屋さんは、在日伯人を取り巻く法的支援の現状をこう語る。

 さらに「日本には十分なポ語能力をもった法廷通訳が少なく、国家資格もないのでレベルはピンきり。被告人の発言が異なるニュアンスで伝わり、それが判決に違いを生むことも有り得る」との問題意識を持っている。

 母子家庭だった照屋弁護士は、毎日長時間出稼ぎ労働者として働く母の背中を見て育った。学校からの帰宅後、弱きを助け強きを挫く弁護士を描いたテレビドラマを見て、弁護士に憧れを抱いた。「自分も母親や弱い立場にある外国人の力になりたい」と決志。猛勉強のすえ、名古屋大学法学部、法科大学院を経て、司法試験にストレートで合格した。

 「まだ弁護士としては新人。でも、頼るところが無かった依頼人の問題が解決され喜んで、日常生活に戻ってゆく姿を見て遣り甲斐を実感している。伯国籍者として同じ目線で物事にあたり、在日外国人の力になれれば」と先を見据えた。

 照屋さんは6月末まで滞在予定。日本に戻った後は、刑事弁護も扱うつもりだという。

 

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