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エルサレム問題=ブラジル大統領、商務事務所設置を正式明言=大反発のパレスチナは、在ブラジル大使召還の構え

イスラエル訪問中のボウソナロ大統領(Alan Santos / PR)

 【既報関連】4月3日までの予定でイスラエルを訪問しているブラジルのボウソナロ大統領(社会自由党・PSL)は3月31日、同国のエルサレムに新たに商務事務所を置くと発表したと、3月30~31日、4月1日付ブラジル各紙・サイトが報じた。

 ボウソナロ大統領は選挙中、「テルアビブのブラジル大使館をエルサレムに移す」と公約していた。これは「エルサレムがイスラエルの首都である」と公式に認める行為で、エルサレムをイスラム教の聖地としているアラブのイスラム諸国からの反発を招いていた。

 アラブ諸国への食肉輸出に影響が出る事を恐れたボウソナロ大統領は、折衷案として、「大使館はテルアビブに残し、エルサレムに商務事務所設置」との策をとった。

 パレスチナやアラブ諸国に強硬姿勢のネタニヤフ首相は、9日に控えた総選挙で柔軟姿勢の野党連合の追い上げを許している。ボウソナロ大統領から大使館移転の確約を引き出すことを望んでいた同首相は、「将来的にエルサレムにブラジル大使館が来るための第一歩だと思いたい」と一応の評価を示した。

 しかし、イスラエルと対立し、名目上、東エルサレムを首都と主張(ただし同地区はイスラエルが実効支配)しているパレスチナ自治政府は、商務事務所設置発表の日、駐ブラジル大使を本国に召還することを決めた。

 パレスチナ外務省は、「エルサレムはイスラエルだけの首都ではないとの国際合意を堂々と破る行為で、我が国の国民の権利を踏みにじる蛮行」と強く非難している。

 また、アラブ諸国がブラジル産食肉輸入のボイコットを行うことを懸念しているブラジルのテレザ・クリスチーナ農相は、関係修復のため、10日にアラブ諸国の大使たちとの晩餐会を計画している。

 1日付ブラジル紙は、折衷案は結果的にイスラエル、反イスラエルどちらの陣営にも気に入られることはなかったと評価し、「ボウソナロ大統領は、大使館の移転を望んでいた勢力を落胆させ、アラブ諸国を怒らせた」と報じた。

 訪問2日目の1日、ボウソナロ大統領は、「パレスチナが抗議するのは彼らの権利。ブラジルはどこの国も怒らせる気はないが、ブラジルの主権も尊重してもらいたい」と語った。同大統領は1月末にミナス州ブルマジーニョで発生した鉱滓ダム決壊事故に際し、ブラジルまで来て遺体捜索や救助活動を行ったイスラエル軍兵士136人への叙勲を行い、ネタニヤフ首相と共に嘆きの壁を訪れた。

 また、両国首脳は、国防、航空サービス、組織犯罪防止、科学、技術、5分野における協力協定と、反サイバー攻撃に関する覚書にも署名した。

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