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《サンパウロ市》現地紙がコーヴァス市長の1年を採点=危機管理と迅速対応で高評価

就任1年目の評価はまずまずのコーヴァス市長(左・Prefeitura de Sao Paulo)

 前市長ジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)がサンパウロ州の知事選に出馬するのに伴って離任した事で、副市長だったブルーノ・コーヴァス氏(PSDB)がサンパウロ市長の座に就いてから1年が経った。

 就任早々に起きたセントロ(市中央部)での大型ビル火災から始まり、11月にはマルジナル・ピニェイロスの高速車線の橋が大きくずれる事故も発生。年明けからは頻発する大雨による大水、浸水などの災害に襲われる中、新市長の1年を5日付エスタード紙が振り返った。

 火災で焼け落ちた24階建てのビルには、290世帯余りが不法占拠して住んでいた。市長は事故後すぐ、市内70カ所の不法占拠建築物の調査を行い、3カ所を閉鎖した。「その場の必要に応えるだけでなく、再発を防ぐという、将来的な観点からも動く事ができたのは収穫」と語る。

 行動の迅速性と正確性は、マルジナル・ピニェイロスの高架橋がずれた時に、素早く他の橋の強度検査を調査させた際にも見られた。

 また、就任直後は前任者のドリア氏が残したスタッフ、計画を継続させていたが、ドリア氏が10月の知事選で勝利し、サンパウロ州知事に就任したあたりから独自色を出し始めた。2月に発表された、セントロ活性化計画やミニョコンを活用しての空中公園構想がその例だ。

 市長は、「ドリア前市長が自分に近いスタッフを州政に連れていったから、自分で人選をしただけ」とし、昨年中は前市政に手足を縛られていた訳でも、今になって前任者の色を排除している訳でもないと強調した。

 同市長はさらに、清掃事業やバス運営事業の入札も行ったし、イビラプエラ公園、パカエンブー競技場、サントアマーロ市場の民営化も動き始めた。だが、アニェンビー総合施設の経営権入札はまだ果たせていない(今週に延期)。

 また、コーヴァス市長は、バス会社への補助金削減のために、通勤用ビリェッテ・ウニコの利用回数を制限する、市職員の年金負担率アップなどの、不人気政策にも手をつけた。同市長は、諸政策に伴う経済効果によって、樹木の枝払いから橋の安全性確保などに至る保守・管理費を、任期最終年となる来年には15億レアルにできる(現状は5億レアル)と考えている。

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