ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボウソナロ氏が銃携行自由化の大統領令に署名=CACに対し、一気に許可=軍による承認も甘くなる=連邦議会での審議必要か

《ブラジル》ボウソナロ氏が銃携行自由化の大統領令に署名=CACに対し、一気に許可=軍による承認も甘くなる=連邦議会での審議必要か

7日のボウソナロ大統領(Wulson Dias/Agencia Brasil)

7日のボウソナロ大統領(Wulson Dias/Agencia Brasil)

 ボウソナロ大統領は7日、銃の携行を大きく緩和する大統領令に署名した。同令では、軍人と共に、猟師、射撃選手、収集家らに銃の携行を認めている。8日付現地紙が報じている。

 今回の大統領令で恩恵を被るのは、在籍10年以上の兵士と、猟師(カサドール、C)、スポーツ射撃家(アチラドール・エスポルチーヴォ、A)、収集家(コレシオナドール、C)の、いわゆる「CAC」と呼ばれる人たちだ。陸軍所有のデータによると、18年12月末現在のCACの対象者は全国に約25万5千人いる。
 今回の大統領令に従うと、CACに該当する人たちには、「自分自身を守るため」と「武器を守るため」の二つの目的での武器の使用が認められるという。
 陸軍は2017年に、スポーツ射撃の選手に対して、自宅または保管所から大会などが行われる場所までの全行程で、銃1丁のみなら弾を込めた(いつでも発砲できる)状態で携行することを認めている。今回の大統領令では、収集家や猟師にも同様の条件で、弾を込めた状態での携行を認めている。それ以外の状況では、弾を込めた状態での携行は禁じられている。
 軍の兵士や軍警などに関しても、銃の携行には司令官の許可が必要で、現場の活動に参加していない兵士らが銃を携行する場合は、必要や適性、経歴に傷がないことを証明する必要があった。だが、今回の大統領令では、現場の活動に参加していない兵士らも、10年以上の勤務経験さえあれば自動的に携行が認められるようになる。
 さらに、「銃の所有場所」に関しても、従来は「所有者の家もしくは職場」だったものが、「所有地全体」となる。これによると、農村部の場合は、農園全体が所有(保管)可能な場所となる。
 銃弾に関しても、従来は、所有が認められた銃1丁につき50発しか購入できなかったが、今後は、登録・承認された銃1丁につき5千発、用途が限定されている銃については1丁につき1千発に拡大される。
 大統領令への署名は、閣僚や銃規制自由化に賛成する連邦議員、猟師や収集家の代表が出席する中で行われた。参加者は手で銃の形を作ってこれを祝い、大統領も「現行法が認める限界まで解釈を広げた」と発言した。
 だが、今回の大統領令は2003年に制定された「非武装法」を骨抜きにするとの懸念が早くも出ている。大統領令を改正するには連邦議会の承認が必要となる。
 また、治安フォーラム会長のレナト・セルジオ・デ・リマ氏は、「多くの分野で銃の携行が認められ、査定が甘くなっている」とし、「軍は銃の所持、携行を承認するだけの場になってしまう」と批判している。
 また、安全保障団体の「ソウ・ダ・パス」も、「特定の人たちにだけ益を与えている。25万5千人がいきなり街を武装して歩きはじめたらどうなることか」と警鐘を鳴らしている。

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