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《ブラジル》銃携行認める大統領令の行方は=知事らが手紙、収集家の犯行も

大統領令に署名した直後のボウソナロ氏(WILSON DIAS/AGÊNCIA BRASIL)

大統領令に署名した直後のボウソナロ氏(WILSON DIAS/AGÊNCIA BRASIL)

 【既報関連】ボウソナロ大統領が7日に出した銃の購入や携行に関する規制を緩和する大統領令を巡り、同令見直しを迫る動きが続いていると21日付現地紙、サイトが報じている。
 大統領令では、CACで表現される猟師やスポーツ射撃の選手、収集家の他、任期中の議員、弁護士、軍や警察の活動をレポートする報道関係者、トラック運転手など、銃携行が認められる人の範疇を拡大。未成年者がスポーツ射撃を行う時も、親(保護者)さえ認めれば、裁判所の許可は不要となる。
 しかも、携行や購入が認められる銃には、兵士や警官しか使えなかった40口径や9ミリ口径の銃や、ライフル、半自動小銃など、殺傷能力が高い銃も含まれ、購入できる銃弾の数も増えた。
 大統領は発行前に法務省の意見などを求めておらず、議会にも諮っていない。それもあり、議会や検察庁などは早い時期から合憲性への疑問や治安悪化への懸念の声をあげている。検察庁は15日、少なくとも司法当局による正式認可までは大統領令を即座に差し止めるよう最高裁に求めた。
 セルジオ・モロ法相は既に、大統領令に違憲性があれば、議会などが差し止めるべきとの見解を表明しているが、21日には、連邦直轄区のイバネイス・ロッシャ知事も含む知事14人が、大統領令は治安改善には繋がらず、暴力犯罪を増やすとの見解を記した手紙を公開した。知事達は、武器や銃弾が増えれば、犯罪者も武器の入手が容易になるし、市民の口論や喧嘩が惨劇に終る可能性も高まるなど、大統領令がもたらす否定的な影響を列記している。
 また、21日付フォーリャ紙は、国際民間航空協会が来週行う公聴会で問題が指摘されれば、国外の航空会社が伯国に乗り入れる飛行機をキャンセルする可能性を示唆。大統領令では武器を携行する乗客が搭乗する際の規定が不明確なためで、空港の安全性確保の責任が民間航空庁から法務省や国防省に移される可能性もあるという。
 21日には、サンパウロ大都市圏サントアンドレ市で11日に起きた路上生活者殺害事件の容疑者として銃収集家の企業家の名が挙がり、市警が家宅捜索で銃2丁を押収との報道もなされた。警察は企業家が乗った車を運転していた男と企業家の行方を捜索中で、犯罪増加を懸念する声も高まりそうだ。

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