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エスペランサ婦人会70周年=親睦、交流、学びの場提供=終戦直後の祖国支援運動で発足

ケーキカット前に誕生日の歌と合唱。左から3人目が倉持会長

 「文協ビルが増築した時、エスペランサ婦人会が5階の部屋を買って移ることになり、役員と一緒に下見に来たのを憶えています」―エスペランサ婦人会(倉持恵美子会長)の創立70周年式典に出席した101歳の平井すてさん(北海道)は、懐かしそうに振り返った。8月21日午後1時からサンパウロ市文協の貴賓室に集まった会員とその家族ら約140人は、会食しながら旧交を温めた。

舞台で乾杯をする主賓、来賓の皆さん

 マリア・ミチヨ・トマジニさんが司会を務め、先亡会員に黙祷を捧げ、「仰ぎ給えな おみなごの~」と会歌を合唱した。コロニア文芸の草分け古野菊生作詞、戦後のラジオアナウンサー菊地啓作曲という由緒ある会歌だ。倉持会長が「皆さんの今までの協力に心から感謝」と述べ、司会が70年間の略史を読み上げた。
 第2次大戦で荒廃した祖国へララ救援物資を送る活動が発端となり、1949年8月17日に村上真一郎宅を本部として団体登録され、1977年には会員の努力の積み重ねで現在の文協ビルに不動産を購入した。
 冒頭の平井さんは、その時からの会員で「ツッパンから出てきて、知り合いに誘われて入会した。料理の講習会などを手伝った。仲間に入れてもらって楽しく過ごせた」と思い出す。「日本から来賓があると皆でよく徽章を作ったわ。ここのは有名だったのよ」と笑った。
 来賓挨拶では、在聖総領事館の楠彰首席領事夫人の聡子さん、サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長に続いて、ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長がマイクを握り「長寿の秘訣は腹八分目、友達と顔を合わせること。アブラッソ(抱擁)するともっといい」と語り、周囲の人とそれをすることを呼びかけると、皆楽しそうに応じた。その他、祝辞が続々と行われた。

「100歳まで頑張る」と古川安枝さん

 90歳以上の功労者13人に記念品が渡され、ケーキカットのあと、顧問弁護士の杉山久司さんの音頭で乾杯、ゆっくりと会食した。古川安枝さん(96)に感想を聞くと「40年以上会員として活動してきた。いろんな講座があってすごく楽しかった。昔は日本舞踊だけで50人ぐらい居た。100歳まで頑張るわよ」と笑った。
 同婦人会は、30年ほど前の最盛期には会員数は300人を数えたが現在は約120人程度。講座としては日本舞踊などの踊り、ピアノ、ポ語、健康体操、フォークダンス、カラオケ、生け花を実施している。もともと料理教室が有名で多くの良妻賢母を育ててきた。同婦人会では会員を随時募集中。問合せは同会(11・3208・3249)まで。

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