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丹下太鼓道場=発表会で1年の成果披露=伝統踏まえて和洋融合へ

最後の「夏祭り」で会場と一緒に盛り上がった様子

 コロニア最古の少年太鼓隊に始まり、41年目を迎えた丹下セツ子太鼓道場(梶原アウミル代表)は「第9回発表会」を1日、聖市の宮城県人会館で開催した。初めて四季をテーマにした舞台演出を取り入れ、季節を代表する百人一首を挟み込みながら、伝統的な太鼓から三味線とギター、ドラムスを組み合わせた和洋融合の音楽まで幅広く15曲を演奏し、約250人の来場者で満杯になった会場からは盛んに指笛や声援、喝采が送られた。
 「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 から紅に 水くくるとは」―着物姿の南瀬樹さん(みなせ・みき)が、そう秋を代表する和歌を読み上げてポ語で風情たっぷりに説明すると、暗闇の中を蛍のように光るバチが舞う幻想的な演出で、助六太鼓の名曲「あばれ太鼓」の演奏が始まった。

幻想的な開幕の「あばれ太鼓」

 次の「冬」では、真っ白な羽織と銀の袴で勇壮ないでたちの若い女性らがオリジナル曲「雪」の演奏から始めた。じょんがら節では太鼓一つと三味線で緊迫感を出した。幕間には、非日系のリカルド・ミギリアッチさんの三味線演奏などが挟み込まれ、客の関心が散らないうちに次の曲に移るように工夫されていた。
 「夏」では、3人の奏者が叩きながらクルクルと入れ替わる「四段打ち」を見事に披露して、技術力の高さを見せつけた。最後にJPOPのヒット曲、ジッタリン・ジンの「夏祭り」を演奏。三味線4丁が加わり、かつぎ太鼓で演者がどんどん入れ替わる演出で見せ、会場は熱気に包まれ喝采で閉幕した。
 演奏後、海藤三味線教室に9年間も通って練習を続けているリカルドさんに太鼓道場に参加した理由を尋ねると、「元々ギターを弾いていた。日本の音楽が好きで、日本の楽器をやりたいと思って三味線に乗り換えた」と笑った。「僕の音楽の理想は吉田兄弟のスタイル。和洋折衷をもっと突きつめたい」と真剣な目をした。

着物姿では百人一首を読み上げる南瀬樹(みなせ・みき)さん

 15年間も同道場に参加し、この10年間代表を務める梶原さんによれば、昨年までは三味線とバンドによる演奏曲は2曲程度だったが、今年から4曲に増やした。「三味線とカロン(ブラジルの打楽器)の組み合わせがお気に入り。もっと和洋にまたがる音楽に挑戦したい」と意気込んだ。
 演奏者27人中6人が非日系人と増えてきており、最も伝統的な和太鼓集団だからこそ、大江戸助六太鼓の基本を踏まえた文化融合が進んでいることが伺える発表会となった。

切れのあるダンスを見せた女性4人組

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