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《ブラジル》20年の死者14・9%増加=コロナ禍が直接・間接に影響=出生数や婚姻数は大幅に減少

コロナ禍が2020年の死者急増を招いたと報じる18日付エル・パイスの記事の一部

 地理統計院(IBGE)が18日、昨年の死者は150万人を超え、増加数や増加率は1984年の統計開始後最大と発表と18、19日付伯字紙、サイトが報じた。
 「市民登録」という統計での昨年の死者は151万3575人で、19年比で14・9%(19万5965人)増えた。平年の増加率は3%前後から7%まで、10~19年の平均は1・8%だから、昨年は異常だ。
 アジェンシア・ブラジルによると、昨年の死者の99・2%は病気が原因の死をさす内因死だ。G1サイトなどでは内因死は91%だから、先の数字は老衰などの自然死も含んでいるようだ。昨年の死者は男性が16・7%、女性が12・7%増えた。死者の7割は60歳以上で、前年より16・6%増えたが、20歳未満の死者は減った。
 州別増加率筆頭はアマゾナスの31・9%で、パラー27・9%、マット・グロッソ27・0%と続く。地域別増加率は北部25・9%、中西部20・4%、北東部16・8%、南東部14・3%、南部7・5%だ。
 20年の死者急増を招いたのはコロナ禍だ。18日までの新型コロナの犠牲者61万2144人中、19万4949人は昨年亡くなっている。

 前年同月比での死者増最多は29%(3万3458人)増の昨年5月で、2位は20%(2万2992人)増の12月だ。月別死者数が2番目だった7月は、平年も寒さなどで死者が多く、増加率はさほど大きくない。
 亡くなった場所は、病院73%、自宅21%、公道その他5・6%だった。これらの数字は、コロナの死者の大半が病院で亡くなった事、アマゾナス州などでの医療崩壊発生が5月だった事、医療崩壊回避のため、軽症者は自宅退避と言われ、自宅で亡くなった人がいた事などと一致する。
 コロナ感染が怖くて病院に行かず、コロナ以外の病気悪化で死亡とか、PCR検査が陰性になって退院後に後遺症や体調悪化で亡くなるなど、間接的な犠牲者もいる。
 昨年は外出規制や社会的な距離確保などの防疫策の影響もあり、出生数が4・9%、婚姻数は26・1%減少した。
 新型コロナの死者は今年の方が多く、今年も死者数増加は必至だが、10月16~31日に登記所に届けられた死者の死因は敗血症6697、肺炎6358、脳血管障害4231、心筋梗塞4185、非特定の心血管障害4107、新型コロナ3605、呼吸不全3180、原因不明299、重症急性呼吸器症候群237と続き、コロナそのものは6位に後退。他の死因も合併症や後遺症の可能性はあるが、予防接種効果が出ている。

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