ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》文化行政の高官に疑問の人事=「ビートルズが社会を堕落させた」?=極右オラーヴォに傾倒の保守派

《ブラジル》文化行政の高官に疑問の人事=「ビートルズが社会を堕落させた」?=極右オラーヴォに傾倒の保守派

Funarteの新会長に任命されたダンテ・マントヴァーニ氏(同氏のYouTubeチャンネルより)

 ブラジルのボウソナロ政権は、11月29日に国立図書館財団会長にラファエル・ノゲイラ氏を任命したのに続き、2日には国立芸術財団(Funarte)会長にダンテ・マントヴァーニ氏を任命したと、3日付現地各紙が報じた。
 マントヴァーニ氏はクラシック音楽に関する著作があり、YouTubeに独自の動画を投稿するYouTuberでもある。
 同氏の投稿した動画では、独特の政治や芸術に関する陰謀論が展開されている。同氏の主張は、「ファシズムは左翼」、「グローバリズムを広めたいマスコミが流布しているのがフェイクニュース」、「ユネスコは異常な小児愛を擁護するプロパガンダ組織」とかなり歪んでいる。
 ボウソナロ大統領の極右思想に強い影響を与えているオラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏にマントヴァーニ氏は傾倒している。マントヴァーニ氏は投稿動画の中で、ナチスドイツの協力者だったテオドール・W・アドルノ氏(故人)の思想を再三紹介している。さらには、「冷戦期に旧ソ連がビートルズやエルヴィス・プレスリーを使い、米国の若者を堕落させ、伝統的な家族の価値観を壊そうとした」、「ロック音楽は、薬物や乱れた性を蔓延させた。性の乱れで中絶も増えた。中絶が増えて社会に悪魔主義がはびこった」との理論も展開している。
 国立図書館財団新会長のラファエル・ノゲイラ氏も、YouTubeに動画を投稿している。その中では19世紀のブラジル独立に大きな役割を果たしたジョゼ・ボニファシオ(1763―1838)や、社会自由党(PSL)のルシアノ・ビヴァール党首の幽霊候補疑惑問題、電子投票選挙の詐欺疑惑に関して言及している。
 ノゲイラ氏も、マントヴァーニ氏同様にオラーヴォ氏の思想を動画で流布している。ノゲイラ氏は2011年に、「(伯国の)読書の習慣はどこに消えた? ブラジル文学の大家マシャード・デ・アシスの遺産はどこに受け継がれた? オラーヴォ氏の主義、主張が広まることで、活字離れの問題が解決することを願う」とツイートしている。
 また、ノゲイラ氏は王室制度の擁護者でもあり、11月15日の伯国共和制宣言に関しても、「軍事クーデーターであり、許されるべきではない。全くもって、祝うべきことではない」ともツイートしている。
 ボウソナロ政権の行き過ぎた保守思想が反映された人事には反発の声が出ており、前上院議長のレナン・カリェイロス上議(民主運動・MDB)なども、「どんな薬を飲んだら、Funarte新会長のような馬鹿げた発言が出てくるんだ? 妄想ばかり撒き散らしていないで、本来やるべき仕事に集中しろ」とツイートしている。

image_print

こちらの記事もどうぞ