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和歌山県人会=第1回世界大会盛大に開催=2千人が熱い郷土愛を共有=ブラジルからも50人が訪日

記念式典の様子(提供写真)

 世界中から和歌山県人と子孫が集う第1回「和歌山県人会世界大会」が11月24~27日、母県で開催された。アメリカ大陸を中心に8カ国から在外県人会会員ら約280人、うちブラジルからは約50人が訪日した。24日の記念式典には国内外の県人会会員や地元県人ら約2千人が出席し、郷土愛を共有した。今月19日、大会に参加した谷口ジョゼー眞一郎ブラジル県人会会長(77、二世)に話を聞いた。

式典であいさつする谷口会長(提供写真)

 11月24日午後(日本時間)、和歌山市内の県民文化会館大ホールで、約2千人の県人らが集まる中、記念式典が行われた。自民党幹事長の二階俊博衆院議員、同党の世耕弘成参院議員ら県内出身の国会議員、市町村長らも出席した。
 仁坂吉伸知事があいさつを行い「和歌山県から各地に渡った人が活躍しているのは誇りだ。今後も交流を継続し、全世界で和歌山県人の力を発揮してほしい」と語りかけた。知事から各県人会代表に顕彰の盾が贈られ、世界の県系人を代表して谷口会長が登壇し、日本語で祝辞を披露した。
 「約130年前から和歌山県人の海外移住が盛んに行われるようになった。第2次世界大戦中には、移住先で差別を受けるなど過酷な生活を強いられる移民もいたが、各国で活躍する和歌山県人も育った。今後は我々二世、三世が県人会を支え、母県との繋がりを末永く守っていきたい」と力強く述べ、その場面はNHKニュースでも放送された。
 式典では移民の歴史や各県人会を紹介する映像も公開され、バンド「THE BOOM」の元ボーカル・宮沢和史や日系アルゼンチン人二世歌手の大城クラウディア、地元高校の吹奏楽部、児童合唱団による記念コンサートも行われた。
 式典に先立ち、県民文化会館近くのホテルでは在外県人会会員向けに、しょうゆや紀州てまり作り体験などが楽しめるイベントも開催された。
 同日昼には各県人会代表者と県議らで昼食会が開かれ、各県人会は母県との繋がりを維持しつつ、在外県人会間の「横の繋がり」を強め、友好関係を深化させていくことで一致した。
 25~27日は紀北、紀中、紀南の3コースに分かれての「ふるさと巡りツアー」が行われ、県内各地の観光名所や高校を訪問。参加者は郷土文化に接するとともに、県民との交流を深めた。
 25日には「中南米県人会会長シンポジウム」が行われ、中南米各県人会は活動紹介や現在の課題を共有した。共通した課題として、会員の高齢化と二世以降の若者における県人会活動への関心低下、日本語話者の減少が挙げられた。
 大会を振り返り、谷口会長は「非常に有意義なものになった。他国の県人会と初めて会う機会にもなった。今後は横の交流も盛んにしていきたい。県人会には世代交代などの課題もあるが、未来に向けて繁栄させたい」とした。
 大会に合わせ、クイックリー・トラベル社が同県と三重県、大阪府を巡るツアーを17~今月1日に実施。谷口会長、下川孝ブラジル三重県人文化援護協会会長ら15人ほどが参加し、大会前後には3府県の観光名所などを訪問。三重県では鈴木英敬知事との面会も行った。


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 「和歌山県人会世界大会」に参加した谷口ジョゼー眞一郎ブラジル県人会会長は、他国の県人会会員らと意見交換する中で「外国生まれの二世、三世は、両親の母県が異なることもあり、どちらかの県人会活動にしか参加しなかったり、そもそも母県に対する意識が薄かったり、母県への関心を引くのが難しい」と問題提起したそう。確かにブラジルの多くの県人会で若者の不足はよく話題に上がる。谷口会長はこの問題に対し「『和歌山県人会』を『和歌山交流協会』という名称に変えて、県人子弟かどうかを問わない姿勢をもっと打ち出した方が良いのかも」と話した。県人会によっては県人子孫でなくとも会員として受け入れている。今後は血縁だけでなく、幅広く積極的な勧誘を行うべき?!
     ◎
 大会中に行われた「中南米県人会会長シンポジウム」で、谷口会長は「英語やスペイン語圏の県人会は、母県にもその言語を使える人が一定数おり連携できるが、ポルトガル語を扱える人が母県に少ない。ブラジル県人会の今後は言語面が課題となる」と述べた。日本では英語やスペイン語に比べると、ポルトガル語学習者は少ない。ブラジル側の日本語学習の促進が急がれる。

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