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弓場農場=クリスマスに農民芸術の粋を披露=環境問題を訴える演劇も=バレエ、クラシック演奏

観客の笑いを誘った演劇

 サンパウロ州ミランドーポリス市の弓場農場(コムニダーデ・ユバ協会、矢崎勇代表)の住民らは、演奏やバレエ、演劇を披露する恒例の『クリスマスの集い』を12月25、30両日夜、農場内のユバ劇場で開催した。25日には300人以上、30日にはそれを超える来場者が詰め掛け、農民芸術の祭典を楽しんだ。

 農場の住民や、農場に滞在中の旅行者らが音楽、バレエ、演劇の発表を行い、住民の親戚や友人、近隣の地域住民らが来場した。
 開演のあいさつを行った矢崎代表(40、三世)は「こうして大勢の来場者を前にすると、弓場農場が多くの方に愛され、支えられて今日に至っているのだと、感謝の気持ちでいっぱいになります。皆さん最後までゆっくり楽しんでください」と呼びかけた。
 目玉の演劇では、オリジナル脚本の『超快速特急スペースライン号地球行き』を住民らが熱演。日本語で進行し、ポルトガル語のセリフを頭上のスクリーンに表示した。
 演劇の設定はSF風で、人類が地球外の惑星に生活するようになった西暦2519年。そんな地球人の子孫が、先祖の故郷である地球を訪れるツアーを行い、その道中でいくつかの惑星に立ち寄り、交流する話。地球は環境破壊で住むことが難しくなり、住民が激減した状態。演劇で環境意識の向上を訴えた。
 劇中、ツアー参加者が各惑星で、個性豊かな住民らとコミカルにやり取りを行い、観客の笑い声が会場に響いた。
 日本の美術大卒で脚本、演出、美術、音楽、照明を担当した五反田理絵さん(39、神奈川県)によると、脚本執筆に2カ月、演者の稽古に2カ月以上を要した。「子どもたちが将来明るく過ごせるように、演劇を見た人から環境破壊への危機感を持ってほしい」と意図を明かした。
 バレエの部では、弓場幸江さん(31、三世)、小原明子さん(84、東京都)が振り付けや指導を行った舞を披露。子どもや若手らによる演目や、女性を中心とした情熱的で優美な演目、太鼓のばちを両手に、和太鼓の演奏を踊りで表現したプログラムに観客は喝采で応じた。
 音楽の部では、和太鼓や管弦楽器、合唱の発表があった。和太鼓ユニット『青嵐』による演奏で開演。10人ほどの息の合ったバイオリン合奏、生演奏をベースとした合唱など豪華な音楽のステージに、来場者はゆったりと酔いしれた。
 終演後、幼い頃から毎年来ているという多田君江さん(81、二世)=ペレイラ・バレット在住=は「今年も楽しませてもらった。演奏もバレエも演劇も満点」と笑顔を見せた。旅行者で農場に滞在中の新開知子さん(32、兵庫県)は「完成度の高さに驚いた。芸術を大切にする弓場農場だからこその催し」と感心した様子。
 弓場農場はサンパウロ市から北西に約550キロのミランドーポリス市に位置し、約25世帯60人が共同生活を送っている。農作物の栽培や加工で収入を得ており、住民の食料のほとんどを自給自足でまかなう。「耕し、祈り、芸術する」を農場の理念とし、1948年から住民が合唱や踊り、演劇を近隣住民に披露する『クリスマスの集い』を行っている。


□関連コラム□大耳小耳

 12月25、30両日に弓場農場で開催された『クリスマスの集い』の演劇で、ほぼ全編にわたって登場し、せりふを忘れることなく演じきった矢崎勇さん。過去には映画『汚れた心』にも出演し、演技も慣れた様子。話を聞くと「落語と漫才が好き」とのことで、今回は多弁な「惑星はなし家出身落語星人」を演じるにあたり、役作りのために落語を聞き直したとか。このような出演者の努力が、毎年来場する観客を飽くことなく楽しませている。

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