ホーム | 日系社会ニュース | 竹島展示「極めて遺憾」=四世ビザ「改善を真摯に検討」=尾身外務政務官が言及

竹島展示「極めて遺憾」=四世ビザ「改善を真摯に検討」=尾身外務政務官が言及

イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑前で記念撮影(中央が尾身氏)

 日本の外務大臣政務官の尾身朝子衆議院議員(自由民主党)が来伯して21日にイビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑に参拝した際、サンパウロ市の韓国文化院の「竹島」展示や、日系社会で要件緩和を求める声が上がっている日系四世受入れ制度(以下四世ビザ)について尋ねてみた。

尾身氏は慰霊碑に献花を行い、深々と頭を下げた

 韓国の現代文化を発信する政府広報施設「韓国文化院」では、「独島(竹島の韓国名)は韓国の領土である」という内容の展示が行われている。昨年11月28日付本紙でも報道した。
 「今後展示が続けられた場合、政府としてどう対処する予定か」という質問に対し、尾身氏は「歴史的事実としても国際法上でも竹島は日本固有の領土で、展示の内容を受け入れることはできない。極めて遺憾であり、強く抗議を行っている。今後展示が続けられた場合には、追加的な申し入れを含め、適切に対応していく」とした。
 さらに、「四世ビザ発給の目標人数を大幅に下回っている現状について、今後どう対処する予定か」と質問した。
 尾身氏は「四世ビザは制度開始から1年6カ月(取材当時)が経過した。制度利用者数が多くないことは認識している。より多くの日系四世の方々に制度を利用してもらうことが重要だ。受入れ円滑化のために、関係機関と共に、制度運用の改善の可能性を含め、真摯に検討している」と回答した。
 四世ビザは2018年7月に施行。制度設計時には年間発給人数の目標は4千人程度だった。だが家族帯同が不可であること、必要とされる日本語能力の高さなどが壁となり、発給数は100件に満たないとも言われる。日系社会では要件緩和を求め、千人以上の署名が寄せられるなどの運動も起きている。

尾身氏は公園内の日本館も訪問した

 同日昼に行われた日系団体代表者との懇談会では、ブラジル日本都道府県人会連合会の山田康夫会長が、ジャパン・レール・パス(以下JRパス)の利用資格再考を求める嘆願書(本記事後に転載)を尾身氏に手渡した。JRパスは、在外邦人や外国人が、低価格でJRグループ各社の鉄道・路線バスを利用できるものだが、在外邦人に関してのみ今年末に利用期限を終える。
 山田会長は本紙取材に「尾身氏は嘆願書を受け取ってくれたがコメントはなかった。JRパスは在外邦人の大きな助けになる。在外邦人の数から考えれば、JRグループの負担は小さいはず。今後も継続して利用できるようにしてほしい」と語った。
 尾身氏は日本とパラグアイの外交関係樹立百周年記念行事に出席するため同国を訪問。その後20日に来伯していた。

image_print