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池坊ブラジル支部=令和最初の初生け=3日間で400人が来場=「平成の終わりと令和の始まり」

記念の集合写真

記念の集合写真

 華道家元池坊華道会ブラジル支部(河村徳子支部長)による「第1回令和時代の初生け」が、11、12両日にサンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパラセホテルで行われ、約400人が訪れた。10日夜には、来賓を招いて開会式が開催され、約120人が来場。令和最初の初生けで、会場は華やかに彩られた。

 令和初をモチーフに、入口に「平成の終わりと令和の始まり」をイメージした花が生けられた。会場内には、正月らしい花材を用いた42作品が展示された。

 中でも目を引いたのは、河村支部長と娘のリーナさんが令和を祝して生けた作品。作品には鳥が飾られており、河村支部長は「令和が前進する様子を表現した」と語る。

 開会式では、河村支部長が挨拶で「平成から令和に変わり、ますます基本を主体として、進展・進化を強調し活動していきます」と抱負を述べた。

 来賓の野口泰在サンパウロ日本国総領事は、日頃から総領事公邸で花を生けている河村支部長へ感謝を述べ、「東京五輪で日本は世界中から注目を集める。ブラジルでも先生の力を借りて日本の伝統文化広めたい」と語った。

 来賓のブラジル日本文化福祉協会の林まどか副会長、日伯文化連盟の吉田エドアルド理事長、ブラジルいけ花協会のエリソン・トンプソン・デ・リマ会長から祝辞が述べられ、鏡割り後、リベルダーデ文化福祉協会の池崎博文会長が乾杯の音頭をとってなごやかな会食となった。

 ビラカロンで生け花を教えている高安節子さんは、正月らしく竹と松を用い、さらにブラジルらしくカトレアの花を生けた。友人で生徒の宮城純子さんは、「先生の花はとても綺麗で感動した」と微笑む。

 宮城さんの作品は、カーネーションやキク科の花で春らしさをイメージしたもので、ポイントは大好きな紅葉。「ブラジルのは葉が大きいから、わざわざ日本から取り寄せたのよ」と語った。

 生け花を始めて6カ月というエルソン・メネガッゾさん(39)は、西本願寺で僧侶の見習いをしており、寺で生けることもある。今回は茎を折り曲げた独創的な作品に仕上げ、「バランスがありそうでない感じを表現してみた」と満足気な笑みを浮かべた。

 

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