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サンパウロ市=自転車運転中の死者6割増=交通ルール教育の徹底が必要

 2019年にサンパウロ市で自転車に乗っていて死亡した人の数は、2018年の22人から36人へと、63・6%増加した。22日付現地紙が報じた。

 自転車運転者の死亡事故増加は、自転車に乗る人々の危険な乗り方と、UberEatsなど、自転車による宅配サービス拡大が主な原因と見られている。

 自転車で走行中に死亡した人の数は増えたが、交通事故に遭って亡くなった人の総数は、18年の888人より1・5%減少し、874人となった。

 交通工学者のオラシオ・フィゲイラ氏は、「自転車を運転するには運転免許がいらない。多くの利用者が交通ルールを守らず、危険な運転をしている。違反を取り締まるだけでなく、自転車利用者に交通ルールを教え、守らせる教育を施すべき」としている。

 交通事故による死者が最も多いグループは歩行者で、18年の374人から381人へと1・8%増えた。

 他方、オートバイに乗っていて事故に遭って死んだ人は、361人から311人へと13・8%減少した。自動車に乗っていて死亡した人は108人から106人へと1・8%減少したが、トラックに乗っていて死亡した人の数は2人から15人へと増加した。

 国家交通安全観測所のジョゼ・ラマーリョ所長は、「現状は全く好ましくない。サンパウロ市は自転車専用レーンなどを増設したが、その危険性などを伝えていない。全市民に対し、交通法規を遵守するよう指導する政策を取らねばならない」と語る。

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