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特別寄稿=思い出深い高学年林間学校=ノロエステ日本語普及会=リンス在住 中場マサ子

参加者・関係者ら

 ノロエステ日本語普及会(中場マサ子会長)は「第56回高学年林間学校」を25、26両日、サンパウロ州のリンス慈善文化体育協会会館にて開催しました。

 リンス校、プロミッソン校、アラサツーバ・モデル校、ミランドーポリス校、第一アリアンサ校、第二アリアンサ校に第三アリアンサ校の7校、生徒51人と教師14人の参加合計数65人。役員、来賓、炊事手伝いや応援に駆け付けて下さった人々を加えて、100人ほどで活気に満ち溢れていました。

 それまでは、毎日のように雨続きでしたが、当日は皆の熱い念が通じたかのようなブラジル晴れでした。

 

いよいよ林間学校開始

 

 会館から徒歩3分程の宿舎の割り当てられた部屋に荷物を降ろした参加者達は、お揃いの第56回スローガン(百花繚乱/Surgimento Simultâneo De Muitos Talentos E Conquistas)入りの林間学校用の制服に着替えて、朝食をとりました。

 プロミッソン校の安永ルイス先生の司会で開会式、日伯両国歌斉唱、式辞を中場、ノロエステ日本語普及会第一地区の松崎広美会長、坂倉エンリケ会長、ノロエステ連合日伯文化協会の安永信一会長代理、第一地区Bの岡地建宣(おかじ・たけのぶ)会長に続き、学校のきまりをプロミッソン校の三浦えいみちゃん、誓いの言葉をリンス校の中場勇一君(日本語)と伊藤博一君(ポルトガル語)、『我ら日語校生徒』を斉唱、教師紹介後、全員で記念写真に納まりました。

 アイスブレイクはアラサツーバ・モデル校の宮田セリア先生、佐々木清美先生、瀧本愛実先生で、生徒の緊張を解きほぐしました。

 お話はリンス校の水野晴佳先生がいつも、祭りダンスで『島唄』を賑やかに踊っていますが、その歌に秘められた沖縄の人達の想いを語り、全員、姿勢を正しました。

 最後に発表する寸劇(桃太郎、金太郎、浦島太郎)は、中場が7人の班長にくじ引きで、要約文を渡して、5分間で発表との指示を出しました。

 

婦人部のごちそうに感謝

 

 決められた班から順番に婦人の人達のご馳走をお皿に装って、頂き、舌堤を打ちました。食前に班長と副班長で、「天地一切の恵みと、これをつくられた人々のご苦労を、感謝いたします。いただきます!」と瞑目合唱しました。食器洗いも班ごと順番です。

 午後からミランドーポリス校の子吉佑(ねよし・ゆう)先生が、『45秒で何ができる』をダンス指導、ギター片手で歌の指導も行いました。身軽に踊り、生徒の方がやっと付いて行く感じでした。

 スポーツ大会では、元プールだった所にチラピアを放し、最初に釣り上げた生徒、一番大きな魚を釣った人(30センチ)、一番たくさん釣った班(66匹)に賞品があります。第三アリアンサ校の中村健太郎先生の合図で、一斉に釣り始めました。かんかん照りの中、暑さも忘れて、熱中でした。

 

えっ、UFO!

 

 終わりの方で、UFOが現れたかの如く、皆が空を見上げて指差して叫んでいました。何とUFOの正体は、子吉先生のドローンで、暫くの間、皆で見惚れていました。

 夕食は宮田先生が炊き込みご飯、佐々木先生が串揚げで、慣れている手際良さで、懇切丁寧な指導振りでした。料理好きの生徒がたくさんいましたが、700本もの串揚げで、量が多かった事もあり時間がかかりました。でも楽しそうに語らい合って、笑顔が絶えない時間でした。

 その横で、第一アリアンサ校の小坂祐騎先生が、生徒達が釣った7杯分のバケツの魚を、子吉先生、井上幹朗(いのうえ・みきお)先生、水野先生達で4時間も掛かって調理して下さいました。

 シャワーの時間を後回しで、キャンドルファイヤーに取り掛かり、第二アリアンサ校の井上先生が神聖な雰囲気を醸し出していました。

 昨年に引き続き、ラッキーな井上先生は、今回もお誕生日で、森マリアさんがバースデーケーキを準備していて下さり、思い掛けない、驚きのお誕生祝いに早変わりでした。

 生徒はシャワーを浴びて睡眠ですが、それから教師は反省会でした。「特に班長と副班長はリーダーとしての自覚を持って、生徒全員が責任ある行動を!」と申し合わせました。宿舎でシャワーを浴び、床に就いた途端にバタンキュー。あっという間に夜が明けました。

 

停電ハプニングに負けず

 

 2日目の朝、ラジオ体操第一、第二を中場の指導で、全員元気良く体操をし、目が覚めました。

 朝礼で、前日の反省会での注意事項をしてからは、生徒自ら行動しました。

 オリエンテーリングでは、水野先生が移民をテーマにした活動として、会館から街に出て、鳥居、歩行者天国、間部画家のモザイク百周年記念、公園3カ所の計7カ所に、竹原直美先生や城地ルミ先生、町田のり子先生と14人、全ての教師が分担して待機しました。そこへ7班の生徒が、班ごとに駆け回って競い合いました。

 全班、会館に戻って、発表の練習をしてから、昼食でした。各班長が責任を持って10分前には、きちんと整列して待機していました。

 わずかな時間しか練習が出来なかったにもかかわらず、たったの5分間にまとめて、順序良く、発表出来たのは、あっぱれとしか、言いようがありませんでした。

 おまけにあいにくの停電で、マイクや音楽等、一切使用出来ず、舞台の幕も手動で開けたままの状態での発表となりました。人生全て塞翁が馬です! 災いが転じて福となり、マイクが無かったお陰で、皆が大きな声を出して発表しました。

 その後、生徒も教師も全員で荷物をまとめて、ほうきやモップ、塵取りに、バケツや雑巾を手にして、使用箇所の美化作業でした。

 

『1リットルの涙』のような感激

 

 閉校式で、中場が講評しました。リーダーシップを即座に実践したのは最高でした。

 魚釣りや、オリエンテーリングの賞品を役員や来賓の方々から手渡されて、受賞した生徒や、その班の人達は恵比須顔でした。

 次回開催校であるアラサツーバ・モデル校生徒がお礼の言葉をお世話に成った婦人方に述べてから、閉校のことばをリンス慈善文化体育協会の増田政光文化部長が締め括りました。

 最後に全ての人が手をつないで、大きな輪を作り、子吉先生のギター演奏で、『今日の日はさようなら』を何度も何度も歌いました。

 おやつをしながらアンケート記入ですが、12月生まれとして再度、お誕生ケーキの前に立って頂き、子吉先生のギター演奏で歌った時には、さすがの井上先生も感極まり、涙が頬を伝わっていました。私達も皆が貰い泣きで『1リットルの涙』のような感激でした。

 感無量の場面に数多く遭遇する事が出来、皆さんのお陰で無事、「第56回高学年林間学校」を終了する事が出来ました。

 どうもありがとうございます。

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