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もはや高齢者スポーツではない!?=青壮年層が増加するゲートボール(上)=世代交代で新風吹き込む

1月の定期総会の様子(マイクを持っているのが萩尾会長)

 「高齢者も楽しめる競技に」。ブラジルゲートボール連合(UCGB/萩尾勝巳(はぎお・かつみ)ジュリオ会長)は、役員の世代交代を図り、青壮年層の競技人口も増加している。つまり「高齢者が楽しむ競技」から「高齢者も―」に変わりつつある。全伯の日系団体では高齢化による活動減退、若手参加者の不足が叫ばれているが、ブラジルゲートボール(以下GB)界には何が起こっているのか――関係者に話を聞いた。

 

 

 GB界が世代交代を迎える大きな転機となったのは、2019年1月の定期総会だ。任期満了に伴う役員改選で、萩尾会長(59、二世)を筆頭に、30~50代の若手や地方リーダー層を中心に登用した役員を選出。大幅な若返りを果たした。

 「GB界の存続を考えるなら、若者を引き入れていかなければ。そのためには若者を運営に参加させ、彼らに合った新しい考え方を取り入れるべきだ」。小賀誠二(おが・せいじ)さん(82、二世)はそう語る。同氏は2011~14年に会長を務め、現在の役員に就任の交渉を行うなど、同連合の大幅若返りを主導した。

 地方のリーダー役を登用した点についても、「地方の大会やイベントで、同連合の重役が参加することにより、大会に箔が付いて盛り上がる。それがGBの普及にもつながる」と説明。

 「以前から役員は、近くで大会が開かれればできるだけ参加していた。そこに、若い役員が増えたことで行動力も高まり、地方大会へも出張することが多くなり、参加する機会が増えた。地方の審判員講習も増え、受験者も増えた」とし、この1年で早くも新役員は成果を上げている様子。

 「連合は10年ほどかけて若返りの準備を行ってきた」という小賀さん。11年の会長就任前から年に1度全伯から代表者が集まる会議では、「若者を引き入れなければブラジルGB界はいずれ消滅する」と危機感を訴えてきた。

 そこで当時の役員や地方の代表者らは、一般のテレビやラジオでGBの広報を始めた。「テレビに選手を映す時は、一般に受け入れやすいように、できるだけ非日系人やそれらしい顔立ちの人を見せるようにしていた」と小賀さんは苦労を明かした。

 日本で国際大会が開かれる機会には、若者を中心としたチームを送り込み、「ブラジルでは若者もGBを楽しんでいる」ことを見せつけた。その努力が実り、18年には世界大会をブラジルで開催。優勝まで果たした。

 役員の世代交代に合わせ、役員会も平日から土曜日に変更。役員会など行事の使用言語もほとんどポルトガル語にし、一世よりも若い世代が優先して参加しやすい環境作りを進めた。

 「ブラジルGB界は、今が昨今で最も活発に動いている」と小賀さんは話す。萩尾会長によれば、現在のブラジル国内競技人口は約4千人。うち700人が60歳以下、高齢者の多いスポーツのGB界では若手にあたる。非日系人は少ないが、三、四世も増えてきている。

 ブラジルでGBは今や、お年寄りが集まって楽しむものではなく、お年寄りも一緒に広い世代が楽しめる競技となりつつある。(つづく)

ゲートボールに興じる皆さん

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 日本ゲートボール連合のウェブサイトによれば、意外にもゲートボールは子ども向けの遊びとして生まれたものだという。北海道河西郡芽室町に住んでいた鈴木栄治(えいじ)氏が、1947年に戦後の混乱期で物資が不足する中、欧州の伝統的競技「クロッケー」を参考に、身近な資材でスティックとボールを手作りしたそう。その後、64年の東京五輪・パラリンピック開催を機に「体力的な負担が少ない」ということで、高齢者向けの競技として注目されるようになったとか。今年の東京五輪でGBブームが再燃する?

 

 

 

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