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《ブラジル》キューバ人医師撤退で医療後退=死亡した先住民乳児12%増加

パラー州で先住民医療に携わっていたキューバ人医師のミシェル・リベロン氏(2日付G1サイトの記事の一部)

 ジウマ政権が13年に導入した医療政策「マイス・メジコス」に参加していたキューバ人医師撤退後、先住民の乳児(1歳未満の子供)の死亡例が前年比で12%増えたと2日付BBCニュースなどが報じた。
 先住民の乳児の死亡例減少は、辺鄙な町や先住民部落にも医師が派遣されるようになった故の恩恵の一つで、14~18年の乳児の死者は年平均470人だった。
 だが、ボウソナロ氏が大統領選当選後、ジウマ政権がキューバ人医師だけ特別扱いしたなどと批判し、同国医師が一斉に帰国する事態が起きた。
 キューバ人医師撤退で無医となった町や地域では、病気になっても医者にかかれない人や、何十キロも離れた町まで行かなければならないという人が出てきた。その影響が如実に表れた例が先住民の乳児の死者数だ。
 19年1~9月に死亡した先住民乳児は前年同期比12%増の530人で、マイス・メジコス導入前の12年の545人と同等の水準に戻った。特に、キューバ人医師撤退直後の昨年1月は、BBCニュースが統計を開始した10年以降、1カ月の数字としては最多の77人が死亡した。
 先住民居住地の医療施設で働いていたキューバ人医師301人は、同種の医療施設の55・4%で責任を負っていた。同国の医師撤退後、連邦政府はブラジル人の医師を補充したが、先住民リーダーによると、ブラジル人医師はコミュニティに入って来ようとせず、欠勤も多いなど、サービスの質が大幅に低下したという。
 昨年死亡した乳児の主な死因は、周産期に由来する疾患24・5%、呼吸器系疾患22・6%、感染症や寄生虫による病気11・3%だ。
 保健省は16年、先住民の乳児死亡率(出生数1千人に対して死亡した乳児の割合)を19年までに20%減らすという目標を掲げた。同年の死亡率は31・28人で、全国平均の13・8人の倍以上だった。同年は、基本的な知識の普及や医師の存在によって避けられた死者が65%に達していたという。
 昨年の場合、部族などで分けた35の先住民特別衛生区(DSEI)中、18で乳児の死亡例が増加。部族別ではヤノマミ族の97人が最も多く、地区別では、キューバ人医師20人が働いていたバイア州のDSEIが11人で最多。バイア州のDSEIの死者は前年の約4倍だ。

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