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《ブラジル》セアラー州=3カ月の女児コロナで死亡=家族に向けられる白い目

 【既報関連】子供の犠牲者は少ないとされる新型コロナ感染症だが、国内最年少となる3カ月の犠牲者が出た。
 6日にコロナ感染が確認されたのは、セアラー州内陸部イグアトゥ市在住だった生後3カ月の女児で、3日に気管支肺炎で亡くなった。この女児は生まれた時から、バーター症候群と呼ばれる腎臓の問題を抱えていた。
 女児は3月5日に風邪の症状を呈し、救急外来で診察を受けた後、抗アレルギー剤とビタミン剤を処方されて帰宅した。この時点では、両親も医者も、コロナ感染は疑っていなかった。
 フォルタレーザ市のアルベルト小児病院で持病の定期的な診察を受けたのは、3月11日の午後だった。屋外にいるのを避けるため、母親は診察時間まで知人の家で過ごしてから病院に向かったが、病院には別の患者は皆無で、見知らぬ人との接触はなかったという。
 呼吸困難が強まり、3月30日に救急外来に連れて行ったところ、病院に転送され、亡くなるまで入院。3日にコロナ感染を調べる検査を受けたが、心停止を3回起こして死亡。血のような分泌物も見られたという。
 女児がコロナに感染していた事が判明後、一家(両親と姉2人)は地域住民の態度の変化に直面した。皆が家族を、化け物か異次元の動物でも見るかのような目で見るというのだ。
 父親によると、誰かがネット上に父親と女児の写真を掲載したため、姉2人は特に、特異な目で見られているという。
 市保健局長のジェオルジ・シャヴィエル氏は、女児がコロナに感染していた事を認め、遺族への弔意を表したが、患者の名前は公表していないという。
 同州保健局によると、同州での最初の感染者確認は3月15日で、23日後の6日には感染者が1千人を超えた(保健省1013人、州保健局1023人)。死者も31人(州保健局、保健省発表は29人)に増えた。特に深刻なフォルタレーザでは、6日現在の感染者は925人、死者は24人に上っている。(6日付G1サイトより)

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