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フィッチ、ブラジル格付見通し引き下げ=遠のく「投資適格」復帰

パウロ・ゲデス経済相(Alan Santos/PR)

 【既報関連】金融商品、企業・政府などの信用状態に関する格付情報を提供する3大格付会社の一つ、フィッチ・レーティングス(F)社が5日、ブラジル格付の将来的な見通しを「安定」から「ネガティブ」に引き下げたと、同日付ブラジルニュースサイトが報じた。
 見通しはネガティブに変更されたものの、格付そのものは「BBマイナス」のまま。
 「ブラジルの経済と財政の将来的な見通しが悪化したことと、国内の政治状況が混乱していること、ブラジルが新型コロナウイルス蔓延の悪影響を強く受けていること」が引き下げの理由だと、F社は書面で発表した。
 ブラジルの格付は、2018年2月からBBマイナスをつけられている。これはF社の基準としては、投資適格級よりも3段階下だ。
 F社は今年のブラジルの国内総生産(GDP)成長率をマイナス4%と予想している。来年のGDPはプラス3%成長の予測だが、2年間の差し引きではマイナスだ。ぜい弱な財政状況、不透明な政治情勢が、ブラジル経済の早期回復の妨げになりうると、F社は見ている。

 今年のブラジルの基礎的収支の財政赤字は対GDP比で13%になると、F社は予想している。
 ブラジルが「投資適格」の評価を外されてから、既に4年以上が過ぎた。格付が投資不適格に落ちたのは2015年9月のS&P社が最初で、以後、F社やムーディーズ社もそれに続いた。

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