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手づかみで体得したブラジル=19年度交流協会生の体験談(2)=齋藤真捺

一から作る自分のブラジル

[経歴]
齋藤真捺(千葉、22)。高校卒業後、外語大に入学。ブラジル・ポルトガル語専攻。3年時修了後に渡伯。ブラジル日本交流協会(http://anbi2009.org/)の研修先はHOSS建設有限会社。趣味は旅行。

 千葉県で生まれ育ち、中学から私立に通わせてもらい何不自由ない生活を両親にはさせてもらっていた。
 兄弟にも恵まれていたし、家族はみんなから仲良いねって言われるほど仲良いし、友達には変な人が多いけれど私のことよくわかってくれて、いつも笑わせてくれる。もちろん私自身も、この人たちの前では馬鹿になれるほど好きな人たちだ。
 この人たちは、私の人生においてとても大切な人たちだ。でも、一度だけこういう環境から抜け出してみたかった。誰も私のことを知らない環境で自分自身どんなことができるのか。悪く聞こえるかもしれないけれど、多分私は恵まれすぎていた環境に飽きていたのかもしれない。
 高校の時には、ブラジルに行くなんて想像もしていなかった。大学に入学してからも、まさか自分がブラジルに1年も行くとは思ってなかった。
 ただ漠然と高校生の頃から海外で1年生活したいと思っていただけだった。大学ではクラブやサークルに参加するわけでもなく、なんとなーく過ごしていた。毎日が楽しくて大好きなバイト先と学校と家の往復だった。
 自分が就活を意識し始めたのは、大学2年が終わった頃。就活を目の前にして、何も持っていない自分に気づいた。バイトは打ち込んでいたけれど。でも、何かが自分には明らかに足りないと感じた。
 私が最初考えていた海外は英語圏だった。ただ、留学するにも莫大な資金が必要になるし、ダメだなあと思っていたときに友達の紹介でこの研修制度に出会った。留学とは違う、日系企業での研修という形だ。
 参加した当時は、ブラジルで生活している自分を全く想像できなくて、何を目標と位置付けていいか分からなかった。ただ、せっかくだし大学で3年間習っていたポルトガル語を「生きたポルトガル語」にしたいなということだけだった。
 正直言えば、ブラジルに行くことを決めてからも全く生活を想像することができなかったし、ブラジルに対して何にも期待していなかった。そのおかげで、OBOGには「そんなことまで言う?」と思っちゃうくらいにしごかれた。
 でもブラジルに到着してから、日本で自分一人で生きていけると思っていた自分を腹立たしく感じた。右も左も分からない。日本なら、自分自身で出来ていたはずの事もできない状態。自分が赤ちゃんに戻ったような気分でした。それに加えて、3年間大学で勉強していたはずのポルトガル語も全く聞き取れない、喋れない。何度も挫折しそうになった。
 でも、そんな時いつも助けてくれて、支えてくれたのは、ブラジル人たちの優しさだった。日本人なら見て見ぬ振りするであろう事も、ブラジル人は見て見ぬ振りなんてしない。自分のように考えて、一緒に悩んでくれて、助けてくれる。
 自分たちが経済的に余裕がなくても、こんな日本人に対して見返りすら求めずに助けてくれる。でも、こういった無償の優しさ、ブラジル人の愛があったからこそ、私の生活は成り立つことができて、今でも帰りたいと思える。
 旅のツアーで出会った人たちに「今度私の家においで!!」と言われた。私の話を聞いて日本にすごく行ってみたいと言ってくれる人がいた。泣いて離れたくないと思えるような親友もできた。家族のような研修先。ブラジルにいたからこそ、出逢うことができた人たち。出逢えた場所があった。
 誰も知らない土地でここまでやれた自分がいるから大丈夫って、今の自信と勇気になってくれている。そのおかげで、2年間躊躇していたことにも帰国後挑戦できているんだと思う。
 今は夢なんてないけれど、前にある壁を一つ一つ超えていけば、いつしか夢に出会うことができるかなって思う。
 留学制度には留学制度の良い部分もあるかもしれない。ただ、研修制度にも研修制度なりのいい部分はある。私自身、他のOBOGの体験談を読んでも、お話を聞いても全く自分のブラジルでの生活を想像することができなかった。
 でも、実際に研修をしてみると、ブラジルの会社って日本とそんな変わらないのかなと思ったり、私生活では予想外のことが起こったり。予想外の連続すぎて、最終的には予想外のことが起こっても、対応できるようになってたりして。
 ブラジルでの生活は、同期7人いても7人それぞれが同じではない。みんなそれぞれのブラジルがあって、出会った人たちがいて、出会った場所があって。自分なりのブラジル生活を作るのも楽しい。
 だから、誰かと同じにしなくていいんです。別に。自分のブラジルに出会えるのはこの制度だからこそかなって思う。

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