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日系文学会が翻訳本2冊刊行=3年掛りの歴史ロマンスと短編集

「おかえりなさい」と「草原のコンサート」の表紙

「おかえりなさい」と「草原のコンサート」の表紙

 ブラジル日系文学会(中田みちよ会長)からブラジル文学の日本語訳作品、近藤アンドレ著作でウンベルト・デ・カンポス賞を受章した短編集『おかえりなさい』(110頁)とルイス・アントニオ・アシス・ブラジル著作『草原のコンサート』(287頁)が刊行された。
 ブラジル文学翻訳集の第5巻目となる『おかえりなさい』の著者、近藤アンドレさん(三世)は17年の第34回武本文学賞短編部門で最優秀賞に選ばれ、同会編集部の会員達と出会った。中田会長は「その時、小説1本で生きていると聞いて応援したくなった」と振り返る。
 以来、同会発刊の『ブラジル日系文学』に毎号近藤さんの短編作品を掲載するようになり、同書籍が発刊される運びとなった。中田会長は「彼の作品はホロリとする人情話が多くて、日本語は話さないけど感性が日本的。日本の人は好みだと思います」と作品の魅力を語る。
 『草原のコンサート』は、奴隷解放間もない時代の南大河州を舞台にした小説。当時存在した社会階級や人種差別を背景にした、許されぬ恋のエピソードが描かれる。前書きで中田さんは「差別用語やオーケストラの専門用語は翻訳の際に苦労しました。ですが、無事に翻訳を終え刊行できて幸せです」と大きな達成感を綴っている。
 いずれ日系書店で販売する予定。

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     ◎
 「草原のコンサート」の翻訳にはサークル・アイリスが携わる。同書の翻訳には3年かかったと聞き、ポルトガル語勉強中の記者は工程が気になり電話で聞いてみた。それぞれに担当箇所を割り振って翻訳し、月に2度のペースで集まり話し合って修正するのだとか。同グループの文学への熱意と知識を持ち寄って完成させた労作だと納得。

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